
book & wine 方方
@houbou_enzan
2025年10月4日

プロトコル・オブ・ヒューマニティ
長谷敏司
読み終わった
“今日からも、不穏や不幸に見舞われて、思ったように生きられないことはある。そのときも、何もかもを含めて、自分の人生を許そうと思えた。”
AIの話かなと思ったら想像以上に人間の話。
しかも食べる排泄するなどの生き物としての人間が色濃く、ノンフィクションを読んでるみたいな感覚に近かった。
言葉による描写のみにもかかわらず肉体に訴えかけてくる小説で、とくに介護の描写は読むのが苦しかった。2050年代を舞台にしてるのに、自動運転・ミールキット・AIつき義足など、ちょっとした近未来の設定がぶっ飛ぶくらい、すごく人間の話。
装丁の絵に「ペテロの足を洗うキリスト」を選び、この配置にしたデザイナーさんすごい。