

book & wine 方方
@houbou_enzan
本とワインのちいさなお店。
近現代文学、SF、詩歌が好きです。山梨・塩山で週末を中心に、月に2,3度だけオープンする本屋の店主です。新宿から特急かいじで1.5時間、塩山駅から徒歩6分。
- 2025年10月4日プロトコル・オブ・ヒューマニティ長谷敏司読み終わった“今日からも、不穏や不幸に見舞われて、思ったように生きられないことはある。そのときも、何もかもを含めて、自分の人生を許そうと思えた。” AIの話かなと思ったら想像以上に人間の話。 しかも食べる排泄するなどの生き物としての人間が色濃く、ノンフィクションを読んでるみたいな感覚に近かった。 言葉による描写のみにもかかわらず肉体に訴えかけてくる小説で、とくに介護の描写は読むのが苦しかった。2050年代を舞台にしてるのに、自動運転・ミールキット・AIつき義足など、ちょっとした近未来の設定がぶっ飛ぶくらい、すごく人間の話。 装丁の絵に「ペテロの足を洗うキリスト」を選び、この配置にしたデザイナーさんすごい。
- 2025年9月12日存在の耐えられない軽さミラン・クンデラ,千野栄一読み終わった難しすぎる! ただ、昔は30ページくらいで挫折していたのに今回は最後まで読めた。読書をし続けて、難しい本を読み切るコツみたいなのが身体のほうについてきてる感覚がある。 ドンファン夫とサレ妻の一代記×ニーチェの永劫回帰×プラハの春×共産主義国家によるディストピア×かわいい犬の看取り、みたいな、てんこ盛りすぎて、もはやわけわからん。深層心理や催眠療法なのかなーみたいな描写もあり、詳しい人のいろんな解説も知りたい。 集英社文庫のかた!訳者あとがきだけじゃなくて解説つけてほしいです!
- 2025年8月31日
- 2025年8月28日いつかたこぶねになる日小津夜景読み終わったとんでもなく美しいエッセーだった。 “どこにもふしぎなところのない、いつもどおりの日常がバスの窓の向こうに流れていった。これと同じような日常を、明日もわたしはながめることだろう。わたしは明日が待ち遠しかった。思い出よりも、ずっとみずみずしい明日の風景。マリーの語った北アフリカの空想が染みわたり、私の心は水を含んだように明るくなっていた。” わたしも美しい日本語を書きたいなと思った。漢詩って、昔の頭のいい人たちが、己の文化資本の高さをひけらかすためのものかと思ってしまってたよ、ごめんなさい。こんなにもキラキラだったとは。
- 2025年8月28日のんのんばあとオレ水木しげる読み終わった子どもが読んでも面白いのに、かなり哲学書めいたセリフも多くて、美和さんのことを話すのんのんばあの言葉に泣けた。やさしい心をもっている人は、幸せになれるに決まってる。
- 2025年8月28日別冊NHK100分de名著 「わが道」の達人 水木しげるヤマザキマリ,中条省平,佐野史郎,釈徹宗読み終わった目に見えない世界があると信じていた水木しげるの描く、境界線上にある物語、と理解した。未読の作品もたくさんあるので、今年の残りは水木しげる先生で行きたい。
- 2025年8月16日
- 2025年8月15日旅のラゴス筒井康隆読み始めた
- 2025年8月15日若きウェルテルの悩みゲーテ,酒寄進一読み終わった想像以上によかった。 「ゲーテはすべてを言った」を読んだので、今年ぜひゲーテを読みたかったので満足。ゲーテらしい名言もあちこちにあった。今の年齢で読んだのも良かったのかもしれない。 とにかく独白の勢いがすごくて、これはなんなんだ?と酩酊感を感じながら読み終えて、解説までいったら、実は、ゲーテの「若きウェルテルの悩み」には、翻訳する上で底本となる作品が二つあり、初版と改訂版で、この「勢い」がまったく違うらしい。初版のほうが、贅肉のつく前の粗削りな直情がよく表現されているとのこと。 この光文社古典新訳文庫の訳は、すごく自分に合ってたのかもと思った。この勢いに乗せられるかのように、最後まで一気読みであった。
- 2025年8月14日
- 2025年8月12日いつかたこぶねになる日小津夜景読み始めた
- 2025年8月12日塩を食う女たち藤本和子読み終わった闘う女性はうつくしい。 翻訳家 岸本佐知子さんのインタビューのあと、藤本和子さんの翻訳作品やエッセーなどを読みたいと思ってて手に取った。 解説にも書かれていたが、石牟礼道子さんの「苦界浄土」を思い出した。生々しくて苦しくて、そして誤解を恐れずに言えば、とても美しい文章だと思った。朗読したい箇所がいくつもあった。 どうしたら、こんなふうに良い耳を持ち、それを伝える仕事をしていける人になれるだろう、と思う。
- 2025年8月12日自由学校獅子文六読み終わった読んだことない古い名作を読みたい気分で手に取った。はじめての獅子文六。 「自由が、欲しくなったもんだからね」。ある日、そう言って、ぐうたら亭主が家出をする。とても好きなタイプの話。 戦後の社会の変容、人々の価値観の移り変わりも底に流れるような作品で、戦後80年の8月に読む巡り合わせを思う。 拾い屋の金次爺さんがすばらしい人物だった。主人公の五百助が、それなりの生活をしていたが戦後没落して働くのが嫌になり、妻の駒子と喧嘩の末に家出をして、金次の住み着く防空壕で暮らし始める。最初の拾いモク1本が拾えず、非常に躊躇って拾ったシーンが秀逸であった。大団円の終わり方も好きだ。 落語を聞くかのように、イメージがどんどん目の前に立ち上がってくる。劇作家、演出家である作者の筆。
- 2025年8月4日アウト老のすすめみうらじゅん読み始めた
- 2025年8月4日自由学校獅子文六読み始めた
- 2025年7月30日文化の脱走兵奈倉有里読み終わった可愛い絵本のような表紙につられて読み始めたら、頭をはたかれた感じ。最初の「クルミの世界の住人」と最後の「柏崎の狸になる」は、胸がぎゅうと締め付けられて、なんでかわからないけど、涙がこぼれた。平和になってほしい、本当に。
- 2025年7月21日推し短歌入門榊原紘読み始めた
- 2025年7月21日
- 2025年7月21日
- 2025年7月13日少年が来るハン・ガン,井手俊作読み始めた
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