
nogi
@mitsu_read
2025年10月4日

この世界からは出ていくけれど
ユン・ジヨン,
カン・バンファ,
キム・チョヨプ
読み終わった
この世界からは出ていくけれど、わたしとあなたはどうやっても同じ世界は見られないけれど、一緒に同じ時間を生きていくことはできないけれど、それでもあなたをわたしを忘れない、想っている、見ている、共にいる、というお話たちだったなぁと感じた
「わたしたちが光の速さで進めないなら」はどちらかというと慈雨のようにしとしと降るような物語が多かったと思っていて、こちらは、ずっと降り止まない雨のあいだに一瞬見える、雲の切れ間の光みたいだった
痛くて苦しいけれど、それはあなたと分かり合えないと決別することではなく、あなたはあなた、わたしはわたし、だけどひとりではない、と信じてもいいのだと思えるような
「地球の果ての温室で」のレイチェルとジスのこともふとよぎるようだった
あなたにわかってほしい、あなたがこんなに大切だ、好ましいと思っている、ということには、相手を否定する暴力性もある
一緒にいても分かり合えないままであることはある
それでもどこかに、未来に、少しの希望があるのなら
やっぱりキム・チョヨプの書くお話が好きだな〜……
次は「派遣者たち」と、巻末の解説で紹介されていたノンフィクションの「サイボーグになる」を買いたいです





