
monami
@kiroku_library
2025年10月2日

世界99 上
村田沙耶香
読み終わった
救いのないディストピアだった。
人間にとっての救いとは、尊敬や憧れなのかもしれない。目から鱗が落ちる瞬間、自分が井の中の蛙だと恥じ入る瞬間、私たちは救われていたのかもしれない。
最初は空子の分裂が、とても傲慢で歪で、性格の悪いものとしてしか見れなかった。けれど段々と彼女が修羅の世を生きていることを悟ると、意味のある社会風刺として物語を受け止められるようになった。正直、全然好きなタイプの物語じゃないけれど、文学の意義を突きつけられているような、目を逸らすなと言われているような感覚になる。









