まつゆき
@mtyk158
2025年10月6日

カフネ
阿部暁子
買った
読み終わった
SNSで知ったタイトルの意味に惹かれて購入した本。
読んでる途中の感想⬇️
・第一章:
本当はもうぼろぼろなのに人前ではなんとか気丈に振舞って、崖のふちに必死にしがみついているような、「まだ大丈夫」を演じているような、そんな人間の描写に心臓がきゅっとなる心地。
固く握りしめた手のひらが少しずつ解かれていくように二人の会話が進んでいくのが少しほっとする。
・第二章~終章:
続きが気になって一気に読み進めてしまった。
食事をする、部屋を片付ける、しっかり眠る……「生活」をすること、生きることに疲れてしまった人が程度も事情も様々にたくさん出てきて、身に覚えもある部分もちらほらあり、時折ドキリとしながら読んだ。
その疲れてしまったすべての人に寄り添ってくれているような作品だと感じた。
部屋が荒れたり食事が億劫になったらまた読み返したくなりそう。
でも優しく寄り添いつつも登場人物が聖人というわけでもなく、独りよがりなところもたくさん出てきて人間らしくて良かった。
人を大切にする、愛するとはどういうことだろう、というのも考えさせられた。
たとえばあたたかいごはんを作ってあげること。
一方的に気持ちを押し付けずに相手の気持ちをきちんと聞くこと。
その人が苦しんでいる時、助けたいと思うこと。
きっといろんな愛し方があって、でもそれもその人のエゴだから、大切にしたい相手と噛み合わないこともあるのが人間のままならないところでもあり。
この「人を大切にする」ということは、他人に向けるだけではなくて自分自身にも向けられるべきだということも一貫して伝えてくれていたように思う。
