
reina
@dawn_39
2025年10月5日

レインコートを着た犬
吉田篤弘
読み終わった
自分がすきなことを、手を抜かず、きっちりやること。肝に銘じたい...
吉田篤弘さんの本は、大事件が起きたりといった派手さはないけど、
月の明かりのように、優しく、強く照らしてくれる、そんな物語が多いと思う。
秋の夜の読書にぴったり🍂
・私の知る限り、人の世では常々「生きる意味」が問われている。しかし、その意味は、生きれば自然とわかるのかもしれない。生きなければ答えは出ない。生きれば生きるほど、それまで見えなかったものが見えてくる。夜の空で点と点が結ばれて星座が見えてくるように、毎日毎日を繰り返して積み上げてゆくと、ご褒美のように記憶が交流して大きな目印を見せてくれる。
「人生っていうのは、先に行けば行くほど面白いもんだ」親方がそう云っていた。そのセリフを覚えておいてよかった。そのときは意味がわからなかったが、いまになってこうしてわかる
・「不安になると、つい言葉に頼りたくなるけど、自分が好きなことをきっちりやってれば不安になる暇もないだろう。俺はたぶん、いつからか、きっちりやってなかった。やってるふりをしてただけだ。どこかで手を抜いてた」
・「本当に好きなら、やめないこと。逆に云うと、やめちまうってことは、なんだかんだ云っても、気持ちがさめたってことだ」
・直さんは本当の思いを封印している。ギター弾きへの憧れを封印し、自分の神様の名前を私の名前に小さな目印として残した。
でも、時間が経つにつれて、<ここ>が変わってゆくように、直さんの思いも変化したのかもしれない
・「もっと云うと、古本屋である自分を愛おしく思ったっていうのかな。だって、想像もつかねぇんだよ。古本屋じゃない俺っていうのが」
・「客が来ねぇなんてぼやいている暇があったら、宿題をちゃんとやれって話だな」
・賢く振る舞わなければ、と自分を追い込み、その結果、愚かしいことをすべて排除してしまったら、ヒトはずいぶんとつまらない
