"きみは赤ちゃん" 2025年10月5日

雫
@sukinamono
2025年10月5日
きみは赤ちゃん
きみは赤ちゃん
川上未映子
妊娠している友達がいて少し考えることがあったので読んでみた。 妊娠、出産という経験が自分の人生と結ばれるのかどうかも分からず今の今まで生きてきた。まず、わたしは子供というか、命そのものを、自分のエゴで産んだ命を幸せにしてあげると胸を張って言えるのかどうか。 わたしは人とお別れするということが本当に苦手で、辛いお別れをたくさんするくらいならさっさと自分が死んだ方がマシだとか思ってしまうトチ狂った人間で、そしてこういうトチ狂った人間は、だったら最初から生まれない方がいいのでは?とか思ってしまうのだけれど、この本を読んで少し考え方が変わった。 出産って本当に大変で、もちろん産んだあとも大変で。いっぱい色んなことを責任重大の中で正解のない選択をし続けなければならない。 でもそんなことが吹っ飛ぶくらい、「会えただけで」すべてが軽くなり、生きてきてよかったと思える瞬間がある。 人生のなかで、出産以外にそんな経験があるだろうか。 それくらい尊い存在なんだな、そんな存在に友達はもうすぐ会えるんだな、と思うとわたしは自分でも意外な感情なんだけれど、少し、羨ましいのだった。
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