
雨
@___amadare
2025年10月4日

菜食主義者
きむふな,
ハン・ガン
読み終わった
"ある叫びが、泣き叫ぶ声が幾重にも重なってそこにつまっているの。肉のせいよ。
あまりにもたくさんの肉を食べたわ。その命たちがそっくりそこにつまっているの。間違いないわ。血と肉は全部消化されて体の隅々に散らばり、そのカスは排泄されたけれど、これらの命だけはしつこくわたしのみぞおちにくっついているの。
一度だけ、ただ一度だけでいいから大きく声を張りあげたい。まっ暗な窓の外へと走っていきたい。そうすれば、この塊は体の外へ飛び出るのかしら。そうなるかしら。
誰もわたしを助けられない。
誰もわたしを生かすことはできない。
誰もわたしに息をさせることはできない。"(p.79)






