
ロッタ
@rotta_yomu
2025年9月30日

サラバ!(上)
西加奈子
読み終わった
文庫3冊の上・中・下巻という分厚さにおののいていたけれど、思い切って読み始めてみれば、「長いなあ、、、」なんて思う暇もなく、登場人物たちの魅力と西加奈子の気迫にぐいぐいと引き込まれてしまう。
この小説の主人公は、圷歩(あくつあゆむ)。
成長した歩が過去を振り返るという構成で、上巻では彼の出生〜エジプトでの小学生時代が描かれている。
歩は考える。
駐在員家庭で恵まれた自分と、貧しいエジプト人との違いはなんなのだろう。
「僕と『彼ら』との間に、どのような違いがあるのだろう」
「どのような違いが、この差を生んでいるのだろう」
歩は思う。
貧しい家庭の少年ヤコブはなぜ堂々として気品あるまっすぐな立ち振る舞いができるのだろう。
「ヤコブは恥じていない」
西加奈子の小説は、いつもわたしに勇気をくれる。
こころを満たして恥じない自分でありたい。
力づよくそう思って、中巻へ!



