
rina
@r_1_n
2025年10月6日

アイヌの世界に生きる
茅辺かのう
読み終わった
「アイヌ語を聞きにくる人は、山の名前やら昔話やら面白そうなことばかり知りたがるけど、いちばん肝腎の人間と生活を知らなかったら、本当の意味はわからないんだよ。人間と生活の言葉がわかれば、ほかの言葉の意味は自然に解けてくるんだ。それを反対に、外側の言葉から先に覚えたって、アイヌの気持ちが通じないんだから、アイヌ語の面白味は、出てこないと思うよ」(p.109-110)
この文章が自分にグサリと刺さった。言葉に限らず、外側だけを撫でてなんとなく知った気になることの危うさ。本当に知りたいと思ったら目の前の人とその生活の芯に触れる覚悟を持たねばならない。
そういう意味では著者は、二十日足らずという短い期間ではあったけれどトキさんと、トキさんの生活に真摯に向き合ったからこそこの本を書き上げることができたんだろうなと思う。
たまたま入ったブックオフでバチッと目があって購入した本。買い逃さなくてよかった。





