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本を読むのがすき
本を買うのがすき
本を積むのはもっとすき
- 2025年10月8日
- 2025年10月8日
- 2025年10月6日アイヌの世界に生きる茅辺かのう読み終わった「アイヌ語を聞きにくる人は、山の名前やら昔話やら面白そうなことばかり知りたがるけど、いちばん肝腎の人間と生活を知らなかったら、本当の意味はわからないんだよ。人間と生活の言葉がわかれば、ほかの言葉の意味は自然に解けてくるんだ。それを反対に、外側の言葉から先に覚えたって、アイヌの気持ちが通じないんだから、アイヌ語の面白味は、出てこないと思うよ」(p.109-110) この文章が自分にグサリと刺さった。言葉に限らず、外側だけを撫でてなんとなく知った気になることの危うさ。本当に知りたいと思ったら目の前の人とその生活の芯に触れる覚悟を持たねばならない。 そういう意味では著者は、二十日足らずという短い期間ではあったけれどトキさんと、トキさんの生活に真摯に向き合ったからこそこの本を書き上げることができたんだろうなと思う。 たまたま入ったブックオフでバチッと目があって購入した本。買い逃さなくてよかった。
- 2025年10月5日
- 2025年9月30日
- 2025年9月29日バッタを倒しにアフリカへ前野ウルド浩太郎読み終わった1週間前から帯状疱疹に罹り、気持ちが非常にクサクサしている。軽傷らしいけれど、顔にできたおかげで右半分の骨格が変わるくらい腫れたし(今はほぼ元通り)、ガッツリ傷あるし(今は瘡蓋)、神経痛きついし(これが地味に一番辛い)、ここぞとばかりにウイルスにやられている。 そんなグロッキーな現状に負けないための本はないかと本棚を漁って出てきたのがこの本。結果、選書に狂いはなかった。ま〜ハチャメチャに面白い!!ちょっと前に読んだ『僕には鳥の言葉が〜』とはまた一味違った、というかだいぶ違った面白さだった。油断するとすぐ吹き出してしまうのだけど、ずっと家にこもって読んでいたので心置きなく吹き出せた。 読み終わる頃には、前野さんが遭遇した困難の数々に比べたら私の帯状疱疹なんて…!!と心の片隅で思えるくらいには気持ちが回復した。 研究者ってやっぱりすごい。(誰か、帯状疱疹が一日で治る薬を開発してください。)
- 2025年9月24日僕には鳥の言葉がわかる鈴木俊貴読み終わった小学生の頃、休みの日は父とよくバードウォッチングをしていた。遠征先の野鳥公園でも、家の近所でも比較的よく見られる鳥の中で一番好きだったのがシジュウカラだった。色合いも声もとにかく可愛くて、警戒心がそこまで強くないのでじっとしていれば至近距離で観察できるのも嬉しかった。 そんな子どもの頃から大好きなシジュウカラに言葉があったとは…!!なんと画期的な発見なんだ!!これまで音としてしか認識していなかったシジュウカラの鳴き声が、言葉となって立体的に聞こえる楽しさ!!シジュウカラだけじゃなく、他の鳥たちの声も急に色づいて聞こえてきて、なんてことのない外の世界がワンダーランドのように思えてくる。 鈴木先生に心から拍手を送りたい。
- 2025年9月20日「国語」と出会いなおす矢野利裕読み終わった先日読み終えた『ルポ 誰が国語力を殺すのか』がこちらにも登場して思いがけないリンクに嬉しくなったと同時に、そうか額面通りに受け取りすぎても良くないのだなと新たな気づきをもらった。セットで読めてよかった。 国語の授業で夏目漱石の『こころ』と出会えたことは間違いなく私の読書人生に影響を与えている。そう考えると国語の時間に文学を扱う意義はかなり大きいと個人的には思う。 巻末の著者と滝口悠生さんによる対談がとても興味深く、面白かった。本文ももちろん面白いのだけど、タイトルを見てそんなに興味ないなと思った人もこの対談だけでも読む価値あり。
- 2025年9月18日読み終わった今住んでいる場所に引っ越してきて一番辛かったのは「ちょっと本屋に行ってくる」ができなくなったこと。車がないと生きていけない地にもかかわらず、免許を持っていなかった私にはそもそも本屋に辿り着く術がなかった。その後、免許を取得し足を得たものの、行きたい本屋まで片道一時間とか、高速にのらないといけなかったりで、気軽に行くというよりは気合いを入れて行く場所になった。(自宅から30分圏内にもいくつかあるにはあるのだけど、自分が思う本屋とはちょっと違う。)だから気軽に行ける距離にまた行きたいと思える本屋がある人が心底羨ましい。まあでも、毎日でも通いたくなる本屋が近所にあったら文字通り毎日通ってきっと家計が火の車だろうからこれでいいのかもしれない、と無理やり思うことでなんとか気持ちを鎮めているけれど、気合いを入れて行った先の本屋で毎度爆買いしてるので特に意味はないかもしれない。
- 2025年9月6日ルポ 誰が国語力を殺すのか石井光太読み終わった小学生による『ごんぎつね』の衝撃的な誤読から始まる数々の事例について、息子が小学校に上がる前だったら信じられなかったかもしれない。でも、息子が小学校に上がって授業参観などでクラスや学校の様子を見るようになった今読むと、決してオーバーな事例ではないと感じる。息子から聞く学校での様子や、実際に自分が子どもたちのやり取りから感じた違和感などがすべてこの本に集約されていくように感じた。 家庭格差、教育格差、ゲーム・SNS依存、そういう諸々が複雑に絡み合った結果、ことばを自分のものにできない子どもが増えていく。そういった子どもたちに対して家庭は、学校は、社会は、国は何ができるのか。何をしなければいけないのか。魔法のような画期的な解決策はなくとも、まずは家庭から地道にことばを積み重ねていくしかないと思いつつ、その家庭からすらこぼれ落ちてしまった子は?と思うと…うーん、難しい。
- 2025年9月5日絵画をみる、絵画をなおす 保存修復の世界田口かおり読み終わった図書館本図書館の児童書コーナーで見つけて借りた本。 子ども向けということもあってとても読みやすく、初心者にはピッタリだった。 「修復家は、つぎのだれかにバトンをわたすリレー走者のようなもの。」という言葉にグッときた。
- 2025年8月30日世界99 下村田沙耶香読み終わった久しぶりに、小説読んだーー!!!という気分になった。とにかく上巻からめちゃくちゃ苦しくて、痛くて、胸糞悪くて、息をつめて読んでいたから疲れた。 やっぱり最後まで誰のことも好きになれなくて、でもどんなにクソな人でもそのカケラみたいなものは自分の中にもあるなと思って、でもそれは普段自分の奥底に見えないように、見せないようにしてる部分で、なのに村田さんはそこにこそ光を当てまくるからとにかく胸糞悪かった(褒め言葉です)!! 今作は特に、ピョコルンに度肝を抜かれたけど、母ルンて……鳥肌もの。 村田さんが天才すぎて怖い。 しばらく村田作品読めないかも。
- 2025年8月28日私とは何かーー「個人」から「分人」へ平野啓一郎読み終わった『世界99』の中で、主人公の空子が自分の中に新しい人格を作り上げることを分裂と言っているのをみて、この本を積んでいることを思い出したので寄り道。結果、とても面白く、学生の頃に読みたかったと思った。 小学生の頃から自分とはなんぞやということを考えているような子どもだった。友達と親の前で態度が違う自分、友達は友達でも優先度が高い順から微妙に態度を変える自分、昨日と今日で態度が違う自分…いろんな自分を使い分ける中で、どれが本当の自分なのか、あるいは全部偽物の自分なのかと考えては眠れなくなったりしていた。 あのときの答えがこの本の中に詰まっていたとは。そもそも自分に本当も偽も嘘もなくて、どれもが自分てことでよかったんだと思うと、自分は多重人格なんじゃないか、最悪な性格なんじゃないかと悩んでいたあの頃の私が救われたし、これからの自分を観察するヒントになる本だった。 対人関係に悩んでいたり、自分探しの旅で迷子になってる人に読んでほしいし、息子が思春期に入ったら手渡したいと思う。
- 2025年8月27日はだしのゲン(4)中沢啓治読み終わった息子と読んだ本相変わらず息子と一緒に『はだしのゲン』を読んだり、戦争をテーマにした絵本を読んでいる。 最近は、いつか原爆ドームに行ってみたいねと話している。気軽に行ける距離ではないけれど、行かなければと思っている。 怖いとか悲しいという気持ちをただ消費するのではなくて、同じ過ちを二度と繰り返さないよう考え続けるためのエネルギーに変えたい。
- 2025年8月23日マンホール大百科 西日本編赤澤英子,鈴木出版マンホール研究会読み終わった息子と読んだ本息子が図書館で借りてきた本。 個性豊かな各地のマンホールの数々は眺めているだけでかなり面白くて、息子と、この本欲しいねー!となり裏を見てビックリ。こんなにお値段する本なのね(笑)今日は早速、出かけた先で息子とマンホール探し。東日本編も借りてこないと!
- 2025年8月23日残されたつぶやき山本文緒読み終わった『世界99』から受けるダメージを少しでも中和したくて合間に読んでいた本。 タイトル通り、山本さんの残されたつぶやきがたくさん詰まっている。クスッと笑ったり、ほっこりしたその後に、もうこのつぶやきが更新されることはないんだなぁと寂しくなるけれど、いやいや残された作品たちがあるじゃないか!更新されることはなくても遡ることはできるのだから。
- 2025年8月22日世界99 上村田沙耶香読み終わったひたすらグロテスクで、目を背けたい背けたいと思いながら読了。何をどう言葉にすればいいのかもわからない。誰のことも好きになれず、誰にも共感できないと思うけれど、ふとした瞬間にこの人のこの感情は私にも覚えがあると思って、そのことにゾワッとしたりイラッとしたりしていた。下巻を開くのが怖いけれど、この世界の行き着く先を知りたい欲が勝る。
- 2025年8月15日ホワイトバグ 生存不能安生正読み終わった久しぶりにエンタメ小説でも読むかと思って昨日の夜から読み始めたものの、途中で怖くなって中断。今日に持ち越して読了。 「その猛烈な吹雪が過ぎ去ると、死体の山が築かれる——」 前半は何が起きているのか分からなさすぎて完全なるパニックホラー、からの中盤は右往左往しながら原因究明に挑む人たちのヒューマンドラマ&待ったなしの現実。そして終盤は、ザ・地獄絵図からの表沙汰にはならない熱い戦い。 久しぶりのどエンタメ小説、面白かったー!!!素人には難しい専門用語もありつつ、でもそこで飽きさせず最後まで一気にページをめくらせる筆力には脱帽。いけ好かないと思っていた奴がとんでもなくかっこいいあるあるもあって胸熱!…なんだけど、このまま世界が人間ファーストで進んでいくとフィクションがノンフィクションになる瞬間が訪れるよね、という恐怖が拭えない…。 いい感じに体がひんやりする読書でした。
- 2025年8月13日炉辺の風おと梨木香歩読み終わった自然の美しい描写とともに描かれる沖縄のこと、父の死、コロナ禍…。静謐なエッセイの中に時折り挟まれる著者のピリッとした言葉に背筋が伸びる。 「死に方まで規格化されてはたまらない。生き方と同じように死に方も千差万別、多様であっていいはずだ。」(p.238-239) 先日読み終えた山本文緒さんの『無人島のふたり』に再び思いを馳せる。8月は死を身近に感じる機会が多い。 「死までの時間は永遠へ繋がる神話の時間、「自分の人生だ。誰に遠慮がいるものか、嫌味皮肉は蹴散らしていけ」」(p.266) とても素晴らしい本だった。
- 2025年8月12日
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