
momo
@momo5
2024年11月20日

新しい恋愛
高瀬隼子
読み終わった
こんなにときめきが感じられない恋愛小説を読んだのは初めてだった。
どれもリアルで読んでいるとその情景をすぐに思い浮かべることができる。
中高生の頃に読んだりみたりした恋愛ものは、異性からの甘い言葉や頼もしい言葉、相手の余命が短く大半の人が涙を流すストーリーなど、何かしら心がキュンとしたり感情移入して辛くなったりするものばかりだったし、恋愛ものといえばそんな話ばかりと思っていた。
でもこの本は違った。複雑な恋愛に対する解像度が高い。
共感できるかというと、この主人公たちと同じような経験をしたことはないので、声を大にして共感できるとは言えない。
でも、少なからず、生きてきた中で多少感じた恋愛に対する違和感やむず痒さ、腹立たしさといった負の感情はもったことがあるし、それをどこにぶつけていいのか分からなかった。
何が言いたいのか、自分でもよく分からなくなってきたけど、とりあえず、この歳にもなるとキュンとするとかキラキラしたものだけが恋愛ではないし、心が躍るような恋愛なんかより、鬱陶しさや鬱々とした気持ちが湧いてくる恋愛の方がより現実的な気がする。
作中でもあったけど、「恋バナ」なんて小中学生の頃の自分らからしたら楽しくてしょうがないよな。わかる。
大人になった今、恋バナなんてウキウキするものでないし、他人と自分を比較する話題でしかない。
私はもう、純粋に恋愛小説にキュンを求めることはできないし、それに出会ったところで現実の恋愛と勝手に比べて、勝手に落胆して、共感なんてできないしつまらないと言うだろう。こうやって恋愛ものを更に敬遠していくんだろうな。
感想うまくまとめるの難しいし、色々考えさせられる本だったな〜。


