おにぎりクン "予告された殺人の記録" 2025年10月8日

予告された殺人の記録
予告された殺人の記録
ガブリエル・ガルシア=マルケス
冒頭から、ああ本当に殺人が起こることが読者にとっても示されるんだというのがわかって、その時点でかなり変わった構成なのかなというのを予想させた。イゲロン樹が何か知らなかったのですぐ調べたが、「絞め殺しの木」だと。本文中にもあるように初めから不吉な前兆を示され、語り手である〈わたし〉とともにどんな殺人事件が起こったのかを見ていく小説だった。 当時のその共同体の人間関係や、人種間だったり貧富の差だったり、個々人の内面をわたしの調査の視点から読者も一緒に知るようになり、最後の最後に彼がどう死んだのか描かれる構成がおもしろかった。 一部グロさを感じる箇所もあったが、滑稽さもあったりして、不思議なバランスだった。
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