
山口慎太朗
@shintaro_yamaguchi
2025年10月8日

浮遊霊ブラジル
津村記久子
読んでる
p.48
「もし、わかりやすい容姿と勉強と運動以外で何か、隠れて突出した美点があったら、誰かに探らせて、えらいけど、そんなものはちょっとださいし、社会では通用しないよね、と綾は密かに呟くだろう。その綾の言葉は必ず誰かに聞き取られていて、クラスにはさざなみのようにそれが広がり、彼女は軽く侮蔑される。誰か度を過ぎたことをする都合のいい馬鹿がいたら、大きな声で彼女を非難するかもしれない。そうやってクラスの秩序は保たれるのだ。綾が属してきたどのクラスにも、別の身の処し方を身に付けて、クラスの外に出ようとする弱者がいた。作文が上手だとか、歌がうまいとか、ボランティアをやっているだとか。だが、クラスの制度から外れた者は、所詮ドロップアウトしたという評価しか与えられないし、物事の中心はクラスにある。それ以外は異端だ。」
ここの切り返しエグすぎる。悪人すぎる。




