
雫
@sukinamono
2025年10月10日

失われた貌
櫻田智也
読み終わった
『失われた貌』は自分のお店に入荷してきた時から気になっていた作品なんだ〜。なんせ、帯に伊坂幸太郎、米澤穂信のコメント!信頼してページを捲れる。
伏線回収がすごくて、いろんなところに散らばった点が最後に全部つながる様は読んでいて本当に気持ちよかった。ミステリーの醍醐味がぎゅっと詰まってた!
ニュースを見ていて、「この人捕まったけれどその後ってどうなってしまうんだろう」って考えることがたまにある。捕まって終わりではないから。その人が悪いことをしたということはもちろん目を逸らしてはいけない事実だけれど、反省した後にも人生は続くものであって。家族がいたり、1人ではやっぱり生きていけないものだ。その点についても警察の視点から警察としての正義を貫きつつ言及してくれていた描写がよかったな。
そして、妊娠している友達の影響もあってか、どうしても親目線で読んでしまった。子供いないのに!
自分が捕まろうと、犯罪に手を染めることになろうと、自分の子供を「犯罪者の子供」にしたくないという想い。わたしはこの考え方に100%同意できなくて、それが怖くて子供を望めないのかも!と思ったりしちゃったり。
子供のためならなんだってできるんだろうか。胸を張ってできる!って言えないから子供なんて作れないと思ってしまう。
子供を産んだら自然とそういう考え方になっていくものなの?
わたしが親であることでその子を不幸にさせてしまう確率が1%でもあるならわたしは産むことができないよ〜と弱腰だ。
と、思いつつも、この間友達のお姉ちゃんの子供と遊んでそのあまりの可愛さにとろけてしまった。きっと友達の子供にもメッロメロになって、気づけば服従してるんだろうな。
自分が子供を持つかどうか——それは、これからじっくり向き合っていくテーマなのかもしれない。
まさかミステリー小説を読みながら、そんな決意をすることになるとは思わなかったけど。


