
碧衣
@aoi-honmimi
2025年10月10日

殺人者の記憶法
キム・ヨンハ,
吉川凪
読み終わった
16歳から殺人を繰り返してきたキム・ビョンスは70歳になり、認知症の診断を受ける。
彼の日記からは日に日に混濁し、忘れられていく記憶と鮮明に思い出される彼と韓国の歴史と詩の記憶が記される。
そんな彼の一人娘のウリが婚約者として紹介した男の目に自分と同じものを感じたビョンスは娘の危険を予感して男の殺害を計画するが─。
ビョンスのある意味で自分を特別視しているような文章を読んでいると純文学を装ったライトノベルを読んでるみたいでその辺は若干、白ける。
認知症のビョンスはそもそもが信頼ならない語り手なのでウリの正体については驚くことはなかったけど、“娘の”ウリの存在はビョンスの中にある潜在的な罪悪感の具現化だったのだろうかと考えたりする。
それではビョンスの認知はいつから歪んでいたのだろうか。
