
Hinako
@Lady_Hinako
2025年10月11日

誤作動する脳
樋口直美
読み終わった
レビー小体型認知症の当事者が書いた本。
著者が語る「時間の前後感覚が失われていく」という経験が、とても印象に残っている。
時間の感覚が薄れていくと、「久しぶりに会う」ということも、「別れの瞬間」も、意味を持たなくなるという。そこには「嬉しい」や「寂しい」といった感情も、自然と消えていくのだそうだ。
私たちが日常の中で当たり前のように感じている喜びや寂しさが、実は“時間”という感覚と深く結びついているのだと知り、ハッとさせられた。
「私たちは、目の前にある同じ世界を見ていると思い込んでいるけれど、実際にはそうではないのかもしれない。」
この一文を読みながら、世界というものが一つではなく、人の数だけ存在しているのだと感じた。
誰もがそれぞれの知覚、記憶、時間の流れの中で生きている。
同じ場所にいても、同じ出来事を見ていても、そこに広がる世界は少しずつ異なる。
そんな当たり前のことを、改めて静かに思い出させてくれる本だった。
