
土田(つちだ)
@chappa_61T
2025年10月10日

踊れ、愛より痛いほうへ
向坂くじら
読み終わった
鮮烈なタイトルに惹かれて購入。めちゃくちゃ面白かった。バレエだけどヒップホップ。読後感としては『推し、燃ゆ』に近い
何かを選ぶということは何かを選ばないと決めること、即ち可能性を閉ざすことで、だからわたしは何かを選択することが苦手なのだけれど。それが愛という大義名分のもとに自分の預かり知らぬところで決定されていたと知らされたときの感情。既存の言葉を探して当てはめるのではなく、自分でその感情に名前を与えること。頭が割れて、感情が溢れる。母に望まれて子宮から追い出されること。弔い。逃走。自由。走れ、じゃなくて踊れ、なんだな
「右足が空へ向かって高く上がると、頭はかぎりなく地面へと近づく。」(p.3-l.2)
型通りが求められるバレエとオリジナリティが評価されるbreakin'。対極にあるように見えるこの2つのダンスが最初の一文だけでは区別できなかったのが面白かった。わたしが勝手に共通点を見出して面白がっているだけで本書にブレイクダンスの要素はひとかけらも出てきません(ド派手に恣意的な誤読をしています)




