
りら
@AnneLilas
2025年10月10日

倒立する塔の殺人
皆川博子
読み終わった
@ 自宅
百合を匂わせた少女小説と見せかけて、蓋を開けてみれば凄まじい構造をなしたミステリーで嘆息。
戦時下の女子学生にわずかに許された戯れとして瀟洒なノートに書き継がれた創作小説と手記、教師館を付設したミッションスクールの礼拝堂、もんぺ姿で踊られるワルツ、シーレやココシュカの絵画への憧憬、そして咽せ返るようなジャスミンの香り。
これが元はヤングアダルト小説として刊行されていたなんで…。ローティーンの頃にこの本と出会えた人が羨ましい。
私が読んだのはピンクの装画の文庫本だけれど、今は改装されているみたいで、カロライナ・ジャスミンが背景に描き込まれた今の装画のほうがずっといい。
ショパンのポロネーズ第4番を聴きながら。


