倒立する塔の殺人

12件の記録
- りら@AnneLilas2025年10月10日読み終わった@ 自宅百合を匂わせた少女小説と見せかけて、蓋を開けてみれば凄まじい構造をなしたミステリーで嘆息。 戦時下の女子学生にわずかに許された戯れとして瀟洒なノートに書き継がれた創作小説と手記、教師館を付設したミッションスクールの礼拝堂、もんぺ姿で踊られるワルツ、シーレやココシュカの絵画への憧憬、そして咽せ返るようなジャスミンの香り。 これが元はヤングアダルト小説として刊行されていたなんで…。ローティーンの頃にこの本と出会えた人が羨ましい。 私が読んだのはピンクの装画の文庫本だけれど、今は改装されているみたいで、カロライナ・ジャスミンが背景に描き込まれた今の装画のほうがずっといい。 ショパンのポロネーズ第4番を聴きながら。
- ぬ井(3匹のペンギン文庫)@omomochiroom2025年3月30日読み終わった作中のリレー小説と手記が徐々に真実を浮かび上がらせる、緻密な入れ子構造にクラクラする。戦時下でも文学や美術を愛し、合唱やワルツを楽しむ女生徒たちが気高い。 読後は思わずジャスミンティーを淹れてしまった。