
時雨崎
@rainstormbook99
2025年10月12日

読み終わった
SF短編集。作風がかなり明るい。オチがふわふわっとした余韻を残してどっか飛んでいく。
基本的に作中の不思議現象は解決せずに終わるので、そういう伏線と回収を期待すると肩透かしを喰らう。
特によかった話
「たのしい超監視社会」
オーウェルの1984の延長線上の世界観でふざけ倒している。現代人はこのぐらい逞しく監視社会を乗りこなすのかもしれない。
「人間たちの話」
表題作。SF的な宇宙科学と地球外生命の可能性の話。なんだけど、たぶん宇宙で孤独かもしれない自分たち人間にとっての他者をどうして見つたいかってことだと思う。科学は結局人間が色々こねくり回しているだけなんだよな、本当に見つけたい他者ってなんだろうな、みたいな。
「No Reaction」
作用はするけど反作用はしない、そんな不便な透明人間は壁をすり抜けることができない物理的作用はしっかり受けるのに、ドアノブを掴んで自分から物理的に干渉することができない。誰かにぶつかっても自分だけダメージを受ける。
透明人間の設定がしっかりしててかなり面白かった。最後まで読むとなるほど!となる



