それぞれのカルピス "明るい部屋新装" 2025年10月12日

明るい部屋新装
明るい部屋新装
ロラン・バルト,
花輪光
絶対的な主観性は、ただ沈黙の状態、沈黙の努力によってしか到達されない(目を閉じることは、沈黙のなかで映像に語らせることである)。p67 […]永久に失われてしまうのは、宝のような愛である、と。なにしろ私がいなくなれば、もはや誰もそれについて証言することはできないからである。そのあとには、もはやただ無関心な「自然」しか残らないであろう。それはまことに痛切な、まことに耐えがたい別離の悲しみであるから、ミシュレはただ一人、彼の世紀の人々に反対して、「歴史」とは「愛の抗議」であると考えたのである。単に生を後代に伝えるだけでなく、いまや古めかしくなってしまった用語を用いて彼が呼んでいたところの、「善」や「正義」や「統一性」などを伝えるものとしたのである。p117
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