よろこびイサンディ "そこに工場があるかぎり" 2025年10月13日

そこに工場があるかぎり
滋味深い文章は世界への愛情から生まれるのだと思った。 世界への愛情とは、つまり、世界に存在する事物や事柄へ抱く愛情なのだとも思った。 そして、その滋味深い文章は、作家の人柄に裏打ちされ、そういった愛情は作家の根幹まで根付いているのかもしれないとの思いを強くした。 他の誰が同様のものを書いたとして、同じ感慨を抱いたか、という点に想いを致せば、工場見聞録としての本書も作家の逸品と称賛したい気持ちになった。 ある種の世界のことわりを平明、且つ美しい文章によって著された、本書のような書籍は、長く記憶に残ることが多い。 それを期待するところであるし、現時点、記憶に留めたいと強く思っている。 よき読書体験だった。
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