よろこびイサンディ "プラハの古本屋" 2025年10月13日

プラハの古本屋
知的であるのに嫌味がない。 過度に謙遜するようでもなく、古本や東欧、言語学に対する興味へと読者を確実に誘引する。 300ページ近い本書を通貫するように、そんな印象を受ける素晴らしいエッセイだった。 記載される内容はかけ離れているが、出来栄えとしては星野道夫著『旅をする木』と比肩する、と、読み終えたばかりの熱も多少なりと手伝っているのかもしれないが、本当に、そう思う。 著者が鬼籍に入られているから、今後の新作には殆ど期待できない。 ただ、「ピジン語」と言うのだったか、地理的に異質な文化圏が交錯する辺りの言語の専門家の著作は読み応えがあるのかもしれない。 その辺りを掘り返してみたい気持ちはある。 以前より購入していた白水Uブックスから刊行されている著作も読んでみたいと思った。
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