まいける "やがて訪れる春のために" 2025年10月13日

まいける
まいける
@bluesky42195
2025年10月13日
やがて訪れる春のために
認知症気味の祖母ハルのために、自分がかつて住んでいた家の庭を綺麗にしていく。荒れ放題の庭を。頼まれたわけじゃない。それは、祖母のためだけど、自分自身のためでもあったのかもしれない。 いつか祖母が戻って来られるように、小さい頃、祖母にいただいた有形無形の贈り物を自分でアレンジしていく。花屋さんをもう一度、復活させたい幼なじみたちの存在も大きい。 何より、庭に力強く生きている植物の力が彼女を変えていく。 自然の営みは人智を超えている。 「それらの花は、だれかのために咲いているわけではない。・・・けれどあたかも、自分のために健気に咲いてくれているように見える。人は花に惹かれ、癒され、ときに顔を上げる力を与えてもらう。だからこそ人は、花を愛でるのではないだろうか。」 孫と世話したミニトマトもコスモスも癒やしと力をくれている。 いい小説に出会った。まさに私花集(アンソロジー)のような。
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