無重力くらげ "キャッチャー・イン・ザ・ライ..." 2025年10月13日

キャッチャー・イン・ザ・ライペーパーバック・
キャッチャー・イン・ザ・ライペーパーバック・
ジェローム・デーヴィド・サリンジャー,
村上春樹
正直なところ、自分の中でうまく消化できてなくて感想を書けないんだけど、一つ思ったことがある。 物語の最後で主人公のホールデンは精神科にかかっているような描写があるけど、彼は精神病のようには見えないと私は感じた。ホールデンは社会に馴染めていない、馴染んでいくのが嫌でたまらない少年であって、何か精神に異常があるから物語中のような態度をとったわけではないと思う。社会の処世術や資本主義的なところを“インチキ”と言い、そういったものに染まっていない子どもには優しく接する。そして子どもたちを“ライ麦畑のキャッチャー”になって守りたい。本当は自分をキャッチして欲しいのだと思う。作品の中で、ホールデンは何度も知人に電話をかけようとしたり、伝言を残そうとするあたりにそういう所が出ていると感じた。社会の“インチキ”さに疑問を持ち、反抗するだけのホールデンが、精神病のように扱われてしまうところがなんとも世知辛くて、読了後は心にしこりが残った。 それにしても飲み込むのが難しい!あとでもう一度ゆっくり読み直してみようと思う。
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