
成瀬雪夜
@Yukiya_39
2025年10月14日
会話の0.2秒を言語学する
水野太貴
買った
読み終わった
読書メモ
▪︎概要
話者Aと話者Bがいたとき、話者Aが発話し終えてから話者Bが話し始めるまで、わずか200ミリ秒しか要さないという実験結果から、これを実現するには何が必要かを探っていく。軸として0.2秒の謎が通されているが、その実言語学の面白い部分をつまみ食いしていく構成になっている。
なお、なぜこれほど素早くターンテイキング(話者交代)が行えるのかについては踏み込まない。というか、問いが壮大すぎて踏み込めない。
▪︎所感
ひたすら情熱を感じる本だった。
言語学、あるいは人文学はこんなにおもしろいということを、身近で具体的な話から言語学の理論に持っていくことで語る。
研究者でない一般人がここが面白い点だと判断したトピックの詰め合わせであるため、難解すぎるということもなく理解できる内容になっている。そしてそれが、ターンテイキングという軸を通して語られることで、謎解き形式になっており、ストーリーを追うように進むため読者としても読み進める手が止まらなくなるうまい構成だった。
すべての日本語話者が読者想定として当てはまる良書だと思う。

