
ほせ
@coffee_dog
2025年10月14日
汚れた手をそこで拭かない
芦沢央
読み終わった
近頃、同じ作者さんを数珠繋ぎで読むことが多かったので、今まで読んだことがない作家さんを読んでみようと選んだ本。こう言う本好きです!
自分の日々の中にも出てきそうなちょっとした過ちがどんな展開を迎えるのかページを繰る手が止まらなかった。短編集で何編か入っているのだけど「埋め合わせ」っていう話が一番好き。何かミスをした時にここで食い止まればまだマシだと冷静に考えたらわかるのに、当事者になったらミス自体を無かったことにしようとドツボにハマってしまう。で、最悪の結果に陥る。その感じに身に覚えがあるなぁと。もしかしたらなんとかできるかもしれないという希望がね、厄介だよねと思いながら読んでました。今ふと思ったんだけど、短編集って「どの話が好き?」ができるのいいよね。
どの話もタイトルが秀逸で読み終わった時にタイトルに余韻を感じたり、納得したりできるのも楽しかった。表題作がなくて、この短編集にこの名前をつけるセンスがすごい。どの話にも通ずるタイトルでありながら、余白がある。どんな場面での言葉なのか読み手に想像させる感じがこの本の魅力を最大限に引き出してる気がする。このタイトルに惹かれて買った私、グッジョブ!
他の作品も読みたい!と思える出会いでした。


