むこうやま "クィアのカナダ旅行記" 2025年10月14日

クィアのカナダ旅行記
性的少数者の権利が踏みにじられる日本で、この本を出してくれた著者の勇気と責任感には本当に頭が下がる。と、カタイ感想だけで括るのはもったいない。 仲間と週末のパーティーを楽しみ、恋人とブリュワリーで美味しいビールや料理に舌鼓を打ち、ときに軽口を叩きあう、、、。著者が健やかに伸びやかに、ありのままの姿でカナダでの滞在時間を過ごす姿に、思わずこちらまで幸せな気持ちになる。そんな瑞々しいテキストも本書の魅力。 どうかその幸せが末長く続いてほしい、と心底思うが、それは日本ではまだまだ難しいことなんだよな、と思うと辛くなるし、シスヘテロのマジョリティとして本当に申し訳ない。 レインボープライドや啓発だけでは全く足りず、日本はクィアの人たちにとって安全、安心に自分らしくいられるための基盤が根本的に欠けているのではないか、と思わせてくれるほど、私の中で解像度や問題意識があがる一冊でもあった。
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