
おいしいごはん
@Palfa046
2025年10月14日
神様のカルテ(3)
夏川草介
読み終わった
シリーズ愛読者のパートナーからは「3も悪いわけではないけど、私は2の方が好き」と言われていたけど読んでよかったと思う。
これについては自分が医者ではないからこそ読んでよかったと思うのかもしれない。情報の非対称性があり、その差が「頑張って調べた」くらいでは到底理解が難しいもののときに、手の上にあるそれを易々と自身の納得できるような理解に導いてはいけないなと感じた。逆に自身の専門とするところにはプロフェッショナリズムを持てるよう努力を怠らないよう努めたい。
あと、解説で姜尚中さんの注目した部分も読み返すと確かに面白い。
“利便とは時間を測定する働きであり、風情とは時間の測定をやめる働きである。両者の両立はできぬ以上、どこかでバランスを取らなければならないのに、利便にばかり突き進むのが今の世の中だ。いずれこの世は物差しばかりが敷き詰められた、まことに四角い世界へと変ずることであろう。“(文庫版p.361)
姜尚中さんはこれにトーマス・マンの『死の山』を思い出しているが、私は磯野真穂さんの『他者と生きる』や広井良典さんの『生命と時間』を思い出したりした。



