17の短編が詰め込まれており、sweet, spicy, bitter, salty, tastyと5つに分けられている。恋愛ものや人間関係における感情の揺さぶりといったところが好きな私にとっては、全体としてはsweetとsaltyが好みだった。 そして、特にbitterより「ツーバイツー」、saltyより「sofa&...」「神さまはそない優しない」はすごく好きだった。 ツーバイツーは男女4人、それぞれ男女でカップルだが、お互いの相手を入れ替えてみる話。 sofa&...はとある女性とソファーの日常の話。 神さまはそない優しないはとある女性と猫の話である。 それぞれが思いや考えを持ち、なんてことのない日常を送る中での些細なきっかけ、出来事によって変化し、笑い、時には涙するといった感情の移り変わりが面白く、心惹かれ、私まで涙した。 「あなたの思いや生きかたがきらめき、翳り、揺らいで、にじむ。」そう謳うように、様々なきらめきが眩しくて、私の胸ににじんであたたかく、時にはほろ苦いひとときになった。