
徒然
@La_Souffrance
1900年1月1日
光のとこにいてね
一穂ミチ
読み終わった
うらぶれた団地の片隅で出会った小学2年生の結珠と果遠。
正反対の境遇に育ちながら、同じ孤独を抱えるふたりは強く惹かれ合うも、幸せな時間は唐突に終わりを迎える。
8年後、名門女子校で再会を果たしたふたりは――。
というあらすじ。
以下、物語の要素にふれるため、読む予定の方はご注意ください。
aaaaaaaaaaaaa
作中に登場する「カノン」の“同じメロディをずらして重ねていく”という特徴と、結珠と果遠の心情が交互に描かれる物語の構成が重なって、音楽が聴こえてくるようだった。
通奏低音とその上を駆ける音の連なり。音が増えたり減ったりしながら、最後には結珠と果遠の二重奏が響く、そんな印象だった。
もし結珠が果遠に追いつき、同じ時を歩み始めたら、これまでのようなカノン(輪唱)は終わるなぁと思った。
それはカノン(規範)からの解放でもある。真上の太陽に向かってまっすぐに伸びる、植物みたいな果遠のそばにいられたならば、おのずと光のとこにいることになるのかもしれないなと思った。
主人公の言動に共感できない部分もあったが、
小学2年生から次に再会したときの、二人の成長の違いはリアリティがある気がして良かった。


