光のとこにいてね

141件の記録
- あむ@Petrichor2025年10月1日読み終わった異なる環境で育った人間の、歳を重ねるにつれての思考の移り変わりの描き方がとても繊細で丁寧。フィクションであるのにまるで別の人生をまるまる体感したようなリアルさと満足感がありました。 以下ネタバレ含みます ------------------------------ 人の数だけ地獄がある。 他人から見てどんなに羨ましいものを持っていたとしても、その人が地獄を抱えていないとは限らない。 たとえば、「何不自由なく生活していける財力」 たとえば、「誰もが認める美しさ」 結珠と果遠は平凡な私からしたら十分すぎるほど非凡で価値のあるものを持っていたけれど、2人は等しく地獄を経験してきたのだと思う。 わかっていても他人を羨み、自分が一番不幸だと思ってしまう自分の弱さを、この物語から改めて突きつけられた気がした。 「もう、想像の中のあなたに『なぜ』や『どうして』を投げかけない。欲しくても与えられなかったものの残像を見て指をくわえるのをやめる。」 諦めても諦めきれない「欲しかったもの」が私にはたくさんある。 きっと今でもずっとそれに執着しているんだと思う。 作中の2人がそれぞれの人生に結論を出すように、私もそんな執着に決着がつけられたらと思う。 その上で、何もかも捨てたってそれでも大切な人間と、私も出会いたい。
- 青夏@bluesummer2025年9月17日読み終わった結珠ちゃんと果遠ちゃん。違う二人だから惹かれ合う。「産んだ人間のすることだけが特別で尊いなんて思わない」という果遠ちゃん、これから出会っていく人たちのことを断片的な要素だけで決めつけてしまわないでほしいという結珠の言葉にはっとさせられた。好きなシーンは、喪服の果遠ちゃんが堂々と振る舞うところ。あと、大人になった藤野、いい人すぎんか。
- 鷹緒@takao_tanka2025年9月16日読み終わった読了! 少女ふたりの切実な心の結びつきに魅了されました。 カノンのように何度も繰り返される、突然の出会いと梅雨の別れ、母と娘の関係性、ピアノ、ココア、薬、光と影。 リフレインとはまた違う、連なる美しさがありました。 作中、彼女たちに寄り添う人々の優しさがとても良かったです。 特に藤野!お前がいてくれてほんとうによかった!! 百合の間に挟まる男は大罪ですが、藤野はサンドウィッチの具ではなく、脇に添えられた優しきパセリです🌿 彼に敬意を表して、最優秀パセリ賞をお贈りしたいと思います👏 今回は全編Audibleで聴きました。 松本沙羅さんの声が耳に心地良く、自然な演じ分けに引き込まれました。 オーディオブックは初めて聴きましたが、文字で読むのとはまた異なる読書体験を知ることができてとても良かったです!
- 鷹緒@takao_tanka2025年9月1日読み始めたAudibleで聴き始めました。 あらすじ情報をほぼ一切仕入れていないので、すごくハラハラどきどきしながら聴いています。 紙の本じゃないため、いま物語全体のどの辺にいるのかすらわかりません。 何も分からないまま団地に連れていかれたゆずちゃんの不安な気持ちを追体験しているようです。 これは耳で聴く選択が大正解かも……!?とワクワクしています。
- ありむら@arimuuu02112025年8月15日読み終わった借りてきた図書館本今はもう会えないのだけど、いつになっても忘れられない女性がいる。彼女のことを思い出しながら読んでいた。友情を超えた、女の子同士の話。 恋に近い感情を持っていたのかもと、振り返ると思う。 「光のとこにいてね」と彼女に対して思う一方、配偶者には、「ドン底の闇の中でも一緒にいてね」と思っている。 かのんと水人との関係があまり理解できなかったのだけど、「泥水啜っても一緒に生きたい」相手ではなかったのかなと今ふと思う。身を引く愛もあるのかな。 一穂ミチさんの小説がどれも好みで、どんどん読んでいきたくなる。
- 結@yi_books2025年8月4日読み終わった誰かのことを自分の人生の全部のように思えることの尊さ、怖さ、残酷さ、そして愛おしさ。羨ましくて堪らなかった。傷つくことが怖いから、私は2人みたいに他人に踏み込めない、と思うけど、そういうことすら過らない関係性だってきっと、あるんだな。 今、彼女らの周りにいる人たちがとても優しくて、それが逆にとても残酷だと思った。優しさと鋭さは表裏一体だ。とても苦しくて、とても眩しい。目が眩んで、それなのに目が逸らせなかった。 『光のとこにいてね』作中の言葉とリンクするタイトルが胸に刺さって、その傷口が、痛くて甘い。
- Aki@spica-spring-evening2025年8月4日読み終わったなにが、たった一人、偶然出会った相手を、ほんのわずかな時間を共にしただけの相手を想う力に変えるのだろう。理由もわからないまま、かけがえのない時間を過ごしたそれだけで、過ごした時間以上に相手に焦がれて想う時間がある。自分の中にある相手への思いを見詰めて抱えているのは苦しい時間かもしれないけど、その分相手と過ごして共有できた時間や感情は代え難い幸福に繋がっている気がした。
- ilu@ilu_reads2025年7月28日読み終わった第一章は辛かった。精神が安定してない時に読んだからかもしれないけど、今までの良くも悪くも普通だった人生では見てこなかった不都合のようなものにも見えて、ずん、となった。 結珠と果遠、ソウルメイト、決して同じじゃないのに心を分け合った、お互いのお守り。かけがえのない人って相補性なのかな。
- ぜんこ@shirushiru2025年7月9日読み終わった離れていても引き寄せあうソウルメイト。年月を経て出会う場面がいい。お互いが大切な存在で、 おさえた気持ちが切なくて優しい。2人の旦那さんも愛情に溢れていて、そばにいてくれて良かった。みんなが光のもとで幸せになってほしい
- a8ka@a8ka2025年5月30日読み終わった「わたしたちは互いが互いのお守りだった。会えない時も、それぞれの生活に精いっぱいで思い出さえ見失う時も。」 バターが入った暖かいココアを飲みながら読んだ。 「いつもこんなふうに笑っていてくれたらいい。結珠ちゃんが、甘いココアのことばっかり考えていられたらいいのに。」 ココアを飲む度にこの運命と愛のお話しがずっと思い出せますように。
- hiroko.yane@komischrk2025年5月26日読み終わった2025年読了本あー、これだよ!島清恋愛文学賞は…!と謎の感想を抱く。最初読むのしんどいかな…と思ったけど、1章終わって2章からラストまでは一気に読んだ。 一穂さんは新刊出たら気になる作家さんではあるけど、前にこの本の出版タイミングで川上弘美さんとの対談がよかったのでこれも読まねばと思いつつ、だいぶ経っての今(2年…)。 「川上弘美×一穂ミチ「ふたり」を描くときに宿るもの――『光のとこにいてね』刊行記念対談 川上 弘美 ,一穂 ミチ」 https://books.bunshun.jp/articles/-/7782
- なち@nachi06022025年5月25日読み終わった図書館本優しく、綺麗な言葉たちで 作られていた📕 性別を超えて、真逆な性格だけど惹かれ合った2人、ここまで誰かに惹かれることってあるのだろうか…
- kasu.@11uyksm2025年3月15日読み終わった借りてきた哀しく、暖かく、綺麗な物語。 この物語に出てくる皆が幸せでいて欲しいと思った。 P56. 結珠視点での物語 全てはここから始まったような気がする。 P434. 果遠視点での物語 凄く泣けた。水人の優しさに心苦しくもなり、そうした方がいいときっぱり判断出来る果遠になんとも言えない複雑な感情になった。 スピンオフ作品もついていて、チサさん視点の物語。 不器用だけど優しい人で、この人もまた幸せでいて欲しい。
- あ@7DA8522025年3月15日読み終わった感想紹介家庭環境や周辺環境、何もかもが違う結珠(ゆず)と果遠(かのん)の物語。 2人は小学生の時に出会い、中学生、そして大人になった時の計3回会う。たった数回の出会いの中で、2人自身はもちろん、2人の周りも目まぐるしく変わっていく。そんな変化の中、自由で不自由な2人が互いの気持ちを確かめ合っていく。 別れを「手離す」「置いていく」と表現するそのやさしさや残酷さに何度も胸が打たれた。 「捨てるのはいっつも弱いほう」果遠のことを気にかけてくれた隣人だったお姉さんことチサさんの言葉が、何度もフラッシュバックする。弱くたって、がむしゃらにもがく姿は、とても美しいと思う。 第二章から泣き始め、第三章はずっと泣いてしまった。こんなにも泣きじゃくったのは久しぶりだった。色んな人の思いが交差する物語だからこそ、それぞれに色んな思いがあって、それぞれが色んなものを大事に抱えて明日を生きていくのだと知った。どうか、皆が幸せでありますように。皆、光のとこにいてほしい。
- 🔖ぼう|読書記録@book_252025年3月15日読み終わった友達でもない、親友でも、恋人でもない。 それでも、私にはあなたしかいない。 目の前にいなくてもあなたが心にいれば、生きていける。 でも再び出会ってしまうと、もう2度と離れたくない。 お互いがお互いの女神のように、決して手に入らないもののように見つめ合っていて、 でも脆い部分も自分だけが知っていたいという独占欲もあって… あの2人はどんな形にもあてはめきれない関係性だけど、たとえ母と子、友人同士、恋人どうしとか「普通」とされるような関係性であっても、それぞれが唯一無二のカタチで、私の「普通」にあてはめてはいけないものだと感じた。 どんな感情で表現したらいいのかわからないけど、出会えて良かった作品です。
- インテルメッツォとカプリチオ@kaoriiiyama12032025年3月9日一穂さんの描写には芸術的な美しさを感じます。「光のところにいてね」、子どもの頃のそれと、大人になってからの、その意味。シスターフッド小説と呼んでいいのかわかりませんが、ふたりのその後が、幸せなものでありますように。
- 夏しい子@natusiiko2025年3月7日かつて読んだ「なにこれ」 が読了直後の感想。 いやでもね、面白かったよ。 凪良ゆうさんの『汝、星のごとく』以上に各登場人物に対して私なりの言いたい事があり、ちょっとモヤモヤ。 でも藤野は最高にいい奴。 果遠ちゃん可哀想過ぎる。旦那さんは、自分にあんなことさせてとずっと果遠ちゃんのこと心の奥底では恨んでたってこと? 直を抱きしめてあげたくて仕方が無かった。
- 猫@mao10122025年3月6日かつて読んだ皆それぞれが、何かを抱えてがむしゃらに生きている。二人にとって、互いの存在は『光』であり、『人生』そのものだったのかもしれない。 果遠が私にはすごくすごく眩しくて、こういう子と友達になれたら幸せだな。
- ねむみん@nemumin2025年3月5日読み終わった女女の感情と関係にまっすぐ向き合っていて良い --- 読後半年以上経ってから追記。元は3/5に投稿していて、これを書いているのは9/23。 あれから読書を続けているけど、振り返るとこの作品で浴びた感情が一番生々しかった。 タイミング的に丁寧な感想を書けていなかったけど、例え余裕のある時期でも書けていなかっただろうな。2人の相互の関係、感情、その深さと浅ましさと、全部が今でも輝いている。 女が、同性にも深い感情を抱くことは、ビアンの自認があろうとなかろうと、結構よくあることだと思う。彼女たちの自認は不明だが、性別は関係なく、互いに互いでなくてはならないと人生を通して確信していくのが、とてもよかった。 周りに迷惑をかける描写もたくさんあり、ひとりひとりの身勝手さが垣間見えるにもかかわらず、誰かだけが被害者・加害者になることはなく、ただ人生が交わる時期とそうでない時期があるだけだと感じた。彼らはそれぞれ自由に生きていくだろう。 どろっとした重い感情や独占欲をあんなにも丁寧に描写していたのに、終わりがさっぱりと前向きだったのが好き。この作品に出会えて良かった。
- 彩@Alice2025年2月13日かつて読んだ再読。初めて読んだ時もあっという間に読んだ記憶があるけどやっぱり読みやすい。1日で読了。読み進めるうちに思い出した展開もあったけど最後の場面は思い出せなかった。最初に読んだ時も終わり方が好きだと感じたことを思い出した。
- 🦆@dyslexia-kamo2024年5月21日ちょっと開いた視点の切り替わりが音声だけだとさっぱりわからないのでオーディブル不向きすぎる。悲しい、こんなのどうしようもない……。 お育ちが怪しい女女のクソデカ感情ぽいから好きな人間多そう。私も多分好きなのに。 文字で読めた人は感想を教えてください。
- ばぶちゃん@babuchan1900年1月1日読み終わったかつて読んだ@ 自宅女女の恋愛ものを調べて出てきたんだけど、あらすじを見たらすごく知っている内容で 去年からそれより前に、同じように調べて見つけ出して読んだ本だった。 異なる環境を生きる2人の女の子の強いつながりを書いていて、読んだ時に「これはすごく遠い話だ、フィクションだなあ」という感覚を持ったのを覚えている。「生より生のままで」も同じ感覚を持ったのだけど、この二作は同じ賞を受賞していた。私にとっては遠くで流れる早送りの物語がその賞らしさなの?みたいな不思議な気持ち。「ののはな通信」も若干そうだったかな。