
小萩海
@umiyoake
2025年10月16日
真の人間になる(上)
甘耀明,
白水紀子
読み終わった
Readsの記録によると3/8に買ったこの本、読み出したのも大体その頃なので、半年近くの時間を跨いでようやく上巻を読み終えたことになる。読まなかった時間が大半だった。最後まで読めるだろうと予測して買ったはずの下巻が部屋のどこかにある。
前半を読み終えたのが随分前だから、人物のおおむねの関係性の他にはほぼ覚えておらず、パラパラと時折遡りながらとりあえず読み切ろうと思って読んだ。第二次世界大戦中のストーリーになる終盤は、特攻隊の話題がではじめ、弾圧が酷くなり、敗戦の色がだいぶ濃厚になっていて、個々のやりきれなさが次々流れ込んでくる。そういう状況だから、さりげない情景のきらめき、ハルムトからハイヌナンへの強い思慕、ろくに試合にならない野球、詩の言葉、オヒシバに関する物語だとかの断片が沁みる。