
小萩海
@umiyoake
本が好きです。文・絵を作ったりも好きです。
- 2025年8月25日スノードーム香山哲読み終わった
- 2025年8月1日彫刻の解剖学松浦弘明,諸川春樹読み終わった再読中
- 2025年8月1日ベルニーニ: バロック美術の巨星石鍋真澄読んでる
- 2025年7月23日火葬と土葬岩田重則気になる
- 2025年7月21日水中の哲学者たち永井玲衣再読中他者の発した言葉について考えたり、自分の言葉をゆっくりと考えながら発したり、つまり対話にもう少し積極的になってみようと思い、オンラインの哲学対話に応募してみた。職場でも家族でも友人でもない、ネットでよく見てるコミュニティでもない、異なる生身の誰かと話してみたくて。哲学対話は興味はもっていたものの、実際にしたことはない。 とにかく一人が好きで、口頭でのコミュニケーションに強いストレスを感じるので、諸々心配な点もあるのだけれども、オンラインならハードル低めで比較的安心してできるかな、と思っている。 哲学対話についての本は、何年か前に読んだこの本しか家にはない。久しぶりに読んでみて、心の準備をする。不安だ。
- 2025年7月21日アイヌの世界に生きる茅辺かのう読み終わったずいぶん前から積んでいて、たまに読んでは、また置いて、出かける時にカバンに入れる本のうちの一冊に加わり、気が向いたら読む、と亀の速度で進めていた本を、ようやく読み終えた。いつ買ったのか覚えておらず、手にとってからおそらく年単位での時間が過ぎている。結局昨日と今日で一気に読んだ。長い年月の間にたくさん出し入れしたので、カバーの破れ目が広がってしまった。 この本は、「トキさん」という、明治末、もともとは入植者の子供として生まれたが、当時の過酷な生活状況から育てることができず、生後間も無くアイヌの家族に養子入ったひとりの女性の語りをもとに書かれている。彼女自身の人生、そして彼女をアイヌの娘として育てた義母の人生、失われゆくアイヌの土着の言葉や文化が、たくましい女性の目線で語られ、それを、外部の人間である著者の視点も絡めながら丁寧に聞き書きしたことが伝わる本で、これ一冊をもとに十分朝ドラを構成できそうな、濃厚な内容だった。 異文化に関する地盤が、急激にゆるんでいることを感じずにはいられないここ最近。日本で実際に起きた同化政策、偏見、それらに翻弄されながら生きてきた人たちの人生を知ることは、問いを深めていくのに重要だと感じる。 自分は、知識が浅く、時流に心が簡単にゆらぎ、他の人の意見に対しても直感的に反応したりして、意見を深めていくことがどんどん苦手になっている(もともとそんなに得意でもない)。わりとそれでものほほんとやっていけたのだけれども、やっぱり粘り強く考えたり他者と(ほどほどに)交わり労わりあいながら、この弱さに向き合いたい。どうあれ、この荒波の中で、生きていかねばならないので。 不安定な時代において、大きな組織に比べればはるかに弱い個人が、どう生きていくかのヒントとなりえる本でもあると思います。
- 2025年7月20日サイレントシンガー小川洋子読み終わった@ 月と六ペンス小川洋子さんの、死や、朽ちてゆくものや、声を発さず静かで、さりげないものへのまなざしが、やっぱり好きです。ともすれば、見過ごしてしまう、簡単に消し飛んでしまう、見ないふりもできる、忘れられていく、暴力的に踏み躙られていく、時には理解しがたいだろう、もしかしたら今の自分には立ち止まってももう見えないような光景が、本を開いたらそこに広がっていることが、有難いです。 読みすすめ、読み終えた場所が、まさに沈黙の守られた場所だったので、そういったリンクも感じられて幸福でした。その感動を思わず店主さんに伝えた、今日の読書でした。
- 2025年7月19日サイレントシンガー小川洋子読んでる本とスケッチブックを持って外に出たら選挙カーが止まって演説していたので遠巻きに聞いていたらしんどくなってしまい、スーパーで簡単な買い出しだけして帰宅し寝てた。起きてちょっとだけ読み進めた。小説をゆっくり楽しむ余裕が薄れているのを感じている。 「余分、失敗、屑、半端、反故、不細工……。そういう、不完全なものと親しくしておかなくちゃ」(p.39)
- 2025年6月29日映像の原則改訂版富野由悠季読み終わった
- 2025年6月26日芸術教養シリーズ6 盛期ルネサンスから十九世紀末まで 西洋の芸術史 造形篇II (芸術教養シリーズ 6 西洋の芸術史 造形篇 2)京都造形芸術大学東北芸術工科大学出版局藝術学舎,水野千依読み終わった
- 2025年6月18日ポケモン生態図鑑きのしたちひろ,株式会社ポケモン買った
- 2025年6月15日
- 2025年6月15日増補 日本語の語源阪倉篤義読み終わった
- 2025年6月6日増補 日本語の語源阪倉篤義読んでるこの類の本が元来の日本人の気質について語るとき、現代インターネットやテレビの「日本スゴイ」の雑な礼賛にほとほと疲れてアレルギー化してる自分には、反射的に抵抗したくなるような瞬間がたびたび生まれて、そういうことではない、と切り分けるのにいちいち時間がかかる。本はとても面白いです。
- 2025年6月3日増補 日本語の語源阪倉篤義借りてきた読んでる「ことば」は人間のつくり出すものである以上、そこに、こういう、複雑微妙な心理や意識の反映があることを、当然予想しなければならない。簡単にパタン化したり、法則性を適用したりできないものが含まれるだけに、推論には、なかなかに困難がある。それが語源探求のむずかしい点であるが、同時にまた、そこにこそ、「ことば」という生きものの本当のありようがうかがえる。語源研究の持つ尽きせぬ魅力もまた、そこにある。(p28-29)
- 2025年5月29日
- 2025年5月21日荒木飛呂彦の漫画術荒木飛呂彦読み終わった耳が痛くなった……。あー今自分物事を雑に扱おうとしてるなーとか面倒くさくて作るのサボろうとしてるなーという時に読んだら背筋が伸びそう(あるいは打ちのめされるか)。物語作りの参考書としてまた開きたい。 ネームにおける日本の漫画と欧米の漫画のコマ割りの違いの指摘は、漫画に限らず共通してるものがある予感がして、興味深かったです。
- 2025年5月6日r4ンb-^、m「^柿内正午描いた先日3/1に刊行されました『r4ンb-^、m「^』(著・柿内正午さん)の装画および挿絵を制作いたしました、小萩海と申します。 刊行から一ヶ月が経過したところで、柿内さんに絵側の制作の裏話を書いてもいいかお尋ねしたところ快諾いただきましたので、(いつのまにか二ヶ月経過していましたが)せっかくの機会ですのでReadsの場をお借りしていろいろと綴ろうと思います。 3300字近くあるので、時間に余裕がある時の暇つぶしにどうぞ。 ・表紙について ☆目指したことまとめ ・ルドンさんの姿として間違いがなく、らしさがあること ・柿内さんと話し合った方向性と大きなずれが生じないこと ・本文を読んだ後に、さらにルドンさんのことを愛しく思っていただけるようにしたい まず、ラブリーさでいえば本物に勝るはずがなく、正確性でいえば写真が適しています。 だからこそ、どうしたら絵ならではの良いものにできるかな〜というのは、はじめから最後まで模索していたことでした。 今回お話をいただいて、資料写真とともにイメージのすり合わせを行った初期段階で、猫本ということで、ルドンさんをメインにしたポートレート的な方向性でいくこととなりました。 また、具体的な生活についてのエッセイ本でもあるので、フィクションに寄ったアプローチではなく、現実的な説得力もある絵を目指すことにしました。 まずルドンさんの外見ですが、いくつかわかりやすい特徴はあるものの、全体には複雑な毛の模様をしており(文中、奥さんの言葉を借りれば、鵺のよう)、いくつかいただいた資料写真を、難しいなあ〜と思いながら見ておりました。額とか特に……。 また本文に具体的な外観描写があるため、描く側としては参考になったものの、逆に言えばごまかせないなあと思って丁寧に取り組みました。 また、特に重要視したのは、「本文を読んだ後に、さらにルドンさんのことを愛しく思っていただけるようにしたい」ということでした。 収められた日記やエッセイを読むと、こちらがにこにこにまにましたり、心がぎゅっとするようなところもありました。そういう諸々を含め、日常的な穏やかさを大切にしたさがありました。もちろん、かわいさも出したいです。 ルドンさんらしさを描くということとも、繋がっています。 また、本のあらすじ・方向性として「他者を迎え入れる記録と思索」「軽く読みやすいエッセイ」ということも特徴として挙げられます。すり合わせでも、大事にされていた点でした。 本文では、戸惑いを抱きながら猫との生活を模索しつつ、あっという間に生活そのものが変容していく様が書かれています。 表紙としては、生活がまざりあおうとしているあたりをイメージして描いてます(実際のところ、本文ではまざるのを噛み締めるより先に一気に変化したという印象が強いですが……!)。 そんなこんなを考えながら絵に反映した、具体的な内容としては、 ・初対面であってもまったく物おじしない、人懐こすぎるルドンさんの、前のめりな雰囲気を、ちょっと前足を出す感じや、見上げてきているのがわかりやすい、上からのアングルで表現しています。 ・体の影をやや手前の方に落としているのは、前述したこちら側に来ようとしている雰囲気を、視線的に感じ取れるかも?という考えがあります。 ・瞳に、ぼんやりと人影を映していますが、柿内さんご夫妻です。「柿内家に居る。見上げてる」というダイレクトな表現と、他者との生活の重なりをイメージしています。 ・軽やかなエッセイらしさと、ルドンさんの明るい性格を表現するため、直射日光が当たっているようなイメージで光を演出しています。(こうした光の方向性は柿内さんとも話しあって決めた点で、自分にはない視点があって面白かったです) 等々。 さらに作業工程として、ちょっと技術的な話になってしまいますが、ルドンさんの顔が目に入りやすいような構図にしたり、光や影を調節しています。 たとえば、人の目は、光と影の境目や、補色をはじめ色の違いなど、コントラストがあるところに目がいきやすい性質があります。 そのため、ルドンさんの特徴的なところや、絵の中で見てほしいところにコントラストがつくようにしています。 具体的には、 ・目(瞳孔と、ハイライトの白のコントラスト。また絵の中で一番鮮やかな黄色の中に、さりげなく緑を入れてみたり、瞳を囲う縁も、紫や青など、黄色と反対色(いわゆる補色)にすることでよりコントラストを強めています。ちなみに左目部分も大事な特徴なので、青をちょっと差して、強調しすぎず埋没せずの塩梅を狙っています) ・耳(胴体の影に対し、光の当たる耳は明るく輪郭を強調しています) ・靴下(前足は光と影の境目ができるようにしています。また本来、現実的にはこうした状況においてこうした青い影は入りにくいですが、絨毯の赤と色味の差異をつけることで靴下部分の強調を優先しています) ・胴体手前側の白い毛(光にあたっている部分とちょっと影になった部分で、さまざまな色を使っています。これも現実的にはこういうふうには見えないけれども、「鵺のよう」感を出したかったので、あえて遊んでいます) 等々。 そんな感じのことを考えながら、全体にはルドンさんに明るい光がたっぷり当たっている、やわらかい印象になるといいなあと思いながら、完成形に至りました。 こんなふうに絵としてはもりもりに意図をちりばめていていますが、タイトルは無意味な文字列であり、ましてや猫にとっては知ったことではありません。それがいいですね。 ・挿絵 ペン画でのラフスケッチ風というご依頼だったため、いくつかいただいた資料写真をもとに、ペンで一発描きのスケッチを紙に大量に描いて、その中から候補を選定し、最終的には柿内さんに選んでいただきました。 もとにしたのは写真ですが、実際に目の前にルドンさんがいることをできるだけ想像しながら描くのを心がけました。 つまり、作業自体が静止画をもとにしていても、現実では、人間の都合などお構いなしに常に動いていて、それをその場でスケッチしている状況……ということを念頭に置いています。 なので、今回でいえば、寝ている絵は描写が細かくてもいいけど、動いている真っ最中の絵は躍動的な動作そのものをとることを意識するなど、リアルタイムのスケッチ感が出るといいなあと思いながら描いていました。 そのため、線が二重に重なっていたりして清書で描き直すだろうところも、そのままにしています。 とはいえ、最終的にどういった絵がいいかは柿内さん次第なので、提出した段階ではもっとイラスト的な路線も混ぜていました。 自分的には意外なものも選ばれ、そういうのも共同作業の醍醐味でした。 結果的には、この挿絵で選ばれたものが現実的な猫感に近かったので、表紙絵もラフ段階より一層リアルな質感に近づけたり、この挿絵の制作自体ルドンさんの観察と練習にもなり、表紙と連動しながらの作業でした。 線だけの絵自体は苦手な方なのですが、味のあるかわいさを感じてもらえたら嬉しいです。 そんな感じで、絵側としては制作を進めていました。 当たり前ですが、メインは本文ですから、こうして文以外の細かい制作話を書くと、まるで「私を見て!」と主張しているようでそわそわします。 ですが、今回の制作が、やりとりも含めて楽しく、柿内さんにも喜んでいただけたのと、実際に頒布開始となってさまざまな方のご感想を読んでいたら嬉しくなり、ある種のエンタメの一つとして提供できればと思いしたためました。 蛇足かもしれませんが、また一層ルドンさんや『r4ンb-^、m「^』のことを好きになっていただいたり、本がさまざまな方の手に渡っていく一助になれば嬉しいです。 なかなかまとまらず長々となってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました! (ちなみに、未熟な身ではありますが、こうした文章関連にたずさわる受注仕事が今後もできたらなあと思ってます。 もしなにかの機会にちらと思い出すことがあれば、どなたでもお気軽にご相談ください! 個人制作の絵やお問い合わせ先はこちらにまとまっております→ https://www.umikohagi.com)
- 2025年4月26日アインシュタインの旅行日記アルバート・アインシュタイン借りてきた読んでるこの日記を書かれた頃は1922年〜23年で、まだWW2は起きておらず、イスラエルも建国されていない。アインシュタインはまだドイツから亡命していない。 日記の前に、100P以上は日記の背景である歴史について書かれていて、ひとまず順序よくそこから読み進めてる。 アインシュタインが日本についてどう感じたかには現状そこまで興味はないけれども、シオニスト支持者であった彼がパレスチナを旅して何を記したかは気になる。 シオニストにとっては、アインシュタインのパレスチナ訪問は重要なプロパガンダだっただろう。
- 2025年4月13日やこうれっしゃ西村繁男読みたい
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