ほせ "真綿荘の住人たち" 2025年10月16日

ほせ
ほせ
@coffee_dog
2025年10月16日
真綿荘の住人たち
買ったもののなぜか長らく途中で止まっていた本だったのだけど、なんで最初に読んだ時に最後まで読まなかったんだろうと思うほど面白かった。真綿荘という下宿に住む住人やその周りの人それぞれの視点で話が展開されていく短編集。 どの語り手も個性的なキャラクターでありながら、どこかこじらせている部分があって、いや、わかるーと思うことが多かった。最初に自分とは全然違うと感じたキャラクターが自分と似たような悩みを持っていて心から応援したくなったり、自分と似たような性格のキャラクターが見せる強さに勇気づけられたりして、現実に語り手たちと出会って知り合っているような気分になって楽しかった。 特に好きな話は、清潔な視線と真綿荘の恋人でした。みんな不器用すぎて大好き。特に小説ラストの話である真綿荘の恋人は、もう、本当に、もっと言葉にせぇ!と思ったけど、そのめちゃくちゃ遠回りする感じが2人らしいと思ったり…ラストで晴雨さんが法的に対等ではなく、一方的に千鶴を所有しようとするところがめちゃくちゃ素敵でした。(なぜこんな感想になるかは本編で) どのキャラクターもそれぞれの恋や人生を応援したくなる!好きな本がまた一冊追加されました。
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