
あおたむ
@aooimmo
2025年10月17日
羊と鋼の森
宮下奈都
読み終わった
感想
【感想 若干ネタバレあり】
全体的に表現がすごく綺麗で読みやすかった。
音楽と森、木を結びつけてるのが新鮮だったし、特に外村が最初に板鳥さんの調律を聞いて衝撃を受けるシーンが、私にも穏やかでみずみずしい風や森がイメージできるくらい美しい文章だった。
柳さんのキャラもすごくいいし、秋野さんも、最初は「いるよね、こんな意地悪なおじさん」って思ってたけど、打ち解けて良い会話をしてるなと思った。
調律には何が大切か、という問いに対してみんながそれぞれ回答してて、それどれもがそれぞれの正解であって唯一の答えなんかなくて、だからみんなひたむきにコツコツとやり続けないといけないんだなと思った。
秋野さんがピアニストを諦めたっていう話も、諦めるってすごくマイナスな感じがするけど、この話の中ではそんなに悪いことじゃないように思えた。「一万時間やってもできなくて、でも二万時間やれば出来るかもしれないと思う」っていうのはまさにその通りだと思うし、そこで辞めずに続けるのも、諦めるのも、正しい答えはないんだな思った。



