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あおたむ
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@aooimmo
  • 2025年11月4日
    神様のボート
    神様のボート
    【ネタバレ 感想】 ありきたりな感想だけど、葉子の勝手さにずっとイライラしていた。草子のことを宝物と言っているにも関わらず、どうしてその草子に負担をかけるようなことをしてるのか。引っ越しを重ねて、草子が良い思いをしているわけがないのに、それに気付いているのになんで続けるのか。 結局は草子よりもあの人が大切で、草子を宝物だと思うのも、あの人と自分の繋がりを証明する唯一のものだからなのだと思う。 背骨を褒めるのも、長所をなんでもあの人に繋げるのも、本当にイライラしたし悲しくなった。 あの人とのエピソードを断片的に話すのもイライラした。子供から見て親は親なのであり、男と女ではない。それを分からず、ずっとただの女として生きていて、腹が立った。 私の母も1人で私たち子供を育てていた時期があるけど、今もその時も変わらず、私たちを一番に考えていてくれたから、余計に勝手すぎるなと思った。 草子が家を出た時点で、「いつ死んでもいい、早く死にたい」と言っているのを見て、草子の未来を何も考えず、自分の気持ちだけを優先していてイライラした。、 親として本当に失格だし、今でいう毒親なのだとろうなと思う。 それでも親というのは子供にとって全てであるから、最後に草子が弱った葉子を見て「帰ろうか?」と言ったのは、洗脳や支配に近いと思う。どれだけ親が狂っていようと、子供にとっては全てなのだと思った。 結末は、現実なのか、はたまたせん妄なのか、死なのか分からないけど、最後までモヤモヤした作品だった。
  • 2025年10月18日
    木洩れ日に泳ぐ魚
    【ネタバレ 感想】 本当によく言葉を選んで作られているなと思った。最初は当然恋人同士だと思ってたけど、破局とか別れるって言葉を使わずに別離って言葉を使っていて、ヒロが実沙子から貰ったマフラーを着けているシーンでアキがヒロの浮気に気付いたのかと思ってたけど、アキも付き合ってる人がいて、「そう言われてみれば…」という感じで、直接的に恋人だということは言われていなかった。 どんどん真相を解明していって、とても続きが気になった。 本音を隠して静かに苦しんでいる姿は、登場人物の全てを見れる読者の特権だと思った。 恩田陸さんの作品は、細かい心理描写がすごく繊細に書かれていて、しかもそれが心の中で思っていることが多いから、読んでいて全部を知れて、得をした気分になる。 結局はアキが大人で、ヒロが子供なんだなと思った。 正直、ヒロはこれからもその未熟さのせいで苦しんでほしいと思ったし、アキには幸せが訪れればいいなと思う。
    木洩れ日に泳ぐ魚
  • 2025年10月17日
    羊と鋼の森
    羊と鋼の森
    【感想 若干ネタバレあり】 全体的に表現がすごく綺麗で読みやすかった。 音楽と森、木を結びつけてるのが新鮮だったし、特に外村が最初に板鳥さんの調律を聞いて衝撃を受けるシーンが、私にも穏やかでみずみずしい風や森がイメージできるくらい美しい文章だった。 柳さんのキャラもすごくいいし、秋野さんも、最初は「いるよね、こんな意地悪なおじさん」って思ってたけど、打ち解けて良い会話をしてるなと思った。 調律には何が大切か、という問いに対してみんながそれぞれ回答してて、それどれもがそれぞれの正解であって唯一の答えなんかなくて、だからみんなひたむきにコツコツとやり続けないといけないんだなと思った。 秋野さんがピアニストを諦めたっていう話も、諦めるってすごくマイナスな感じがするけど、この話の中ではそんなに悪いことじゃないように思えた。「一万時間やってもできなくて、でも二万時間やれば出来るかもしれないと思う」っていうのはまさにその通りだと思うし、そこで辞めずに続けるのも、諦めるのも、正しい答えはないんだな思った。
    羊と鋼の森
  • 2025年10月2日
    デッドエンドの思い出
    デッドエンドの思い出
    【画像ネタバレ 感想】 すごくすごく良かった。 本当に存在する誰かの人生を少しだけ、5つ覗き見したような感じだった。 人によって幸せと不幸は違うけど、皆んなその2つを、バランスを取りながら心を保ちながら生きているんだなと思った。 当たり前だけど、人の数だけ人生があるんだなと思った。 出会いも別れも、生きていたら必ず経験することで、その時にどういうことを思うのか、その先をどう生きていこうとするのかっていうところの選択肢は無限大にあって、正解も不正解も分からない、本当に大きな流れの中で生きていかないといけないと思うんだけど、その中で「こういう考え方もあるよ」「この人はこういう選択肢をしてみたよ」っていう、アドバイスでも指南書でもない、人生相談をみんなでしているみたいな本だった。 読んでいると、私の人生も考えも、否定されることも肯定されることもなく、ただそのまま在っていいんだと思えた。 2作目の「おかあさーん!」は、私の家庭状況と少しだけ似ているところがあって、私が自分のかつての父に寄せている思いと同じだった。 事実から見ると、父が私たちにしたことは本当に酷いことだと思うし、してはならなかったことだけど、それでも私には幼い頃に父から大切にしてもらった楽しい記憶があるし、その頃の父が偽物だったとも思えないから、私にしか分からない私だけの父がそこにはいるんだと思ったし、そう思っていいんだと思った。客観的に見た父ではなく、私の記憶が持つ父は存在したままで大丈夫なんだと思った。 この本に出てくる登場人物はみんな、その後どうなったのかっていうのは分からないけど、そこがまた良かった。 人生っていうのは自分で創り出していくもので、少しずつ糸を紡いで、時には破れて、その破れた箇所を直していくようなものだなと思った。 また辛いことや、何か悲しいことがあった時に読もうと思った。この本の中にいる人達に人生相談をして、勇気を貰って、また糸を紡いでいけるように、片手に持っておこうと思った。
    デッドエンドの思い出
  • 2025年9月30日
    白い薔薇の淵まで (集英社文庫)
    【ネタバレ】 生々しすぎる 性的な表現が多すぎた こういう堕落していくのを見ると、重たい気持ちになって、何というかズンって気分が落ちちゃうけど、それでも早く続きを読みたいとは思った。 最初から塁が死んでることは分かってたからハッピーエンドではないと思ってたけど、結局これも最後どうなったのか想像でしかないけど、比較的理性的な性格である自分からすると、「どうして会いに行くの、どうして許してしまうの」って思ってしまった。喜八郎という、何にも変えられないほどパーフェクトな人がいるにも関わらず、どうしてまた自分から堕ちていくようなことをしてしまうのか分からなくて、イライラする部分が多かった。でもそれこそ愛であり、執着に繋がるほどの愛は結局破滅を呼ぶんだなと思った。 クーチも喜八郎に対して「悪いことをしている」っていう自覚はあるのがまた腹が立つ。そういって「私が悪い」と言ってしまうと、喜八郎はそれ以上何も言えなくなるし、どうすることも出来ないと思う。許すか、許さないかの2択になって、許さなかったら何故か少し罪悪感を抱くようになると思う。 そうやって悪いことを認めるのは、良いようで悪い。きっと相手は許すしかなくなっていくから。 しかも、喜八郎に迷惑をかけているにも関わらず、「あなたには分からない」といって、理解してもらえないことを責めるところも嫌い。正直に悪いと言ったからといって、喜八郎が許す理由にはならないし、かといって許さないことももうできない。気を遣わなければならないのは明らかにクーチの方なのに、クーチのそういうところが大嫌いだった。 大まかな内容でいうと、「汝、星のごとく」と少し似ていると思った。 私はそんな人を好きになったことがないし、「気持ちを抑えて平凡な幸せを選ぶくらいだったら破滅の方がいい」と思う日が来るとは思えないけど、そういう形の愛もあるんだなと思った。 破滅してたら結局意味がない 全てを放り出すことは誰でもできるけど、それを皆んながしてしまうと社会の秩序が成り立たないわけで、その結果、喜八郎との離婚や家庭崩壊に繋がってると思う。破滅の先が不幸しかないとしても、それでもなお破滅を選べるのが、感情の美しくも儚い部分だなと思った。
  • 2025年9月25日
    ヘヴン
    ヘヴン
    【ネタバレあり】 普通に私が分かりやすいハッピーエンドが好きなのもあるけど、「それでどうなったの?」としか思わなかった。いじめ系は好きじゃないし、少しではあるけど性的な表現もあるし苦手な部分が所々あった。最初は、「耐えていることに意味がある」って言ってたことが、なんとなく分かるけど、その後百瀬の話を聞くと、「確かに意味なんてないのかも」と思えてきた。いじめられている原因だと思ってた斜視の話もそうで、ただただその時のムードで標的になったんだなと。いじめに加担したことも、しっかりと目撃したこともないけど、そういうものなんだろうなとはなんとなく分かるから、「ハッキリとした理由なんてない」という口に出しづらいことをしっかりと表現されていて、それが正しい部分もあるから余計にもどかしかったし気分が悪かった。原因があった方が絶対にいいだろうから。 ムードで始めた、なんて言われたら終わりが見えないし、自分の人格や存在そのものを否定されているようになって辛いだろうなと思う。 ヘヴンの話が最初の方に出てきたけど、正直「いる?その流れ」とはなった。結局ヘヴン自体は最後まで出てこなかったし、その後のコジマや主人公についても何も書かれてなくて、なんだったんだと思った。 コジマが「これに耐えたら絶対に他の人とは違うところにいける」と言っていたのも綺麗事だなと思った。わざと汚くしているのも、コジマの都合であって、コジマの美学でしかないと思う。だからといって勿論いじめていい理由にはならないけど、なんというか、「乗り越える」とか「耐える」って、当人の言い聞かせでしかないんだなと思った。「努力は必ず報われる」という言葉に違和感を持つように、必ずしも耐えたからといって何か起こるわけではないと思う。残酷ではあるけど、もしかしたら状況はずっと悪い可能性もあると思う。そういう心持ちが悪いとかでは全くなく、なんというか、世の中の不条理さが滲み出てるなと思った。綺麗事では生きていけないんやなと思った。 百瀬の「こちら側の都合とそちら側の都合は、一見繋がっているようで違う」(みたいなニュアンス)という文は、確かに新鮮な感覚だった。 主人公が斜視の手術をすることをコジマに伝えた時の反応は結構イライラした。結局コジマは、ぼくが自分の仲間から外れていくのが嫌なだけだと思ったし、逆に自分と同じ境遇だったからこそ仲良くなったんやなと思った。その友情ってどうなんやろと思った。ここで「斜視を治す=二ノ宮に従う」ことになってるのが、少し単純で浅はかだなと思った。悲しいことではあるけど、百瀬の方がよっぽど多くを考えてるなと思う。 トイレで二ノ宮が誰かと話していたみたいな描写は何?多分百瀬で、二ノ宮が百瀬のこと好いてると思ったんやけどどうなんやろ 二次創作の読みすぎか? あとは百瀬が体育をよく休んでいるとか、病院で会うとか、そういうとこも説明が欲しかった。考えすぎかもやけど、百瀬はかなりの大病を患っていて、だからこんなに物事を諦めてるのかなとか思った。 『地獄があるとしたらここだし、天国があるとしてもここだよ』
  • 2025年7月11日
    砂漠
    砂漠
    【ネタバレ】 私が今まで読んできたのは、この作品でいう「実は古賀さんはこういう人でした」「プレジデントマンは実はよく知ってる〇〇さんでした」みたいな、そういう種明かしがある本で、その種明かしを最大の面白ポイントとしている本だったから、そういうのがなかったのは少し虚をつかれた感じがする。あんなに世界について、未来について熱く語っていた西嶋も、結局特に世界を変えることなく終わり、北村も鳥井もみんな無難に就職して、大学生活楽しかったなと懐古する、日常系だなと思った。ただ私が今大学生なので、「あんなことは起きない」と思っているし、これは西嶋が作中で言っていた"鳥瞰"で、意味のない論理的思考、つまんない考えなんやろうなと思った。かといって特に西嶋に感化されて考えが変わるわけではなくも、「行動しなければ」という衝動に駆られたわけでもないけど、でも確実に「人生は計算やチェックポイントの確認じゃなく、頭を掻きむしりながら、悩みながら進んでいくものだ」という言葉は忘れないでおきたいと思った。麻雀をただの確率で進めていくのではなく、負けて悶えるまでも醍醐味だと言っていた通り、効率重視で淡々とこなしていきがちな私には足りなくて、必要な考えだと思う。私はなるべくレールから外れたり、何かに失敗して苦しんだりすることを避けて生きていきたいと思ってるし、悩みを増やしたくもないから、自分が好きな人とだけ関わって波風立てず、穏やかに過ごすことを目標にしているけど、悩んで苦しんでもがきながら生きていくことも、悪いことではないんだなと思った。無駄なことや意味がないことをやるのも思い出で、人生の醍醐味なんじゃないかと思った。
    砂漠
  • 2025年5月8日
    AX アックス
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