

あおたむ
@aooimmo
- 2026年7月8日
暁星湊かなえ読み終わった【感想 ネタバレあり】 色々と合点はいってスッキリするはずなのに、結局救われなくてモヤモヤするというよく分からない感情になった。 個人を飲み込む大きな力が色んなところに波及してて、暁や星賀の心の根っこに闇を落としてる感じがした。 母親達が無神経すぎて、すごくイライラした。 でも暁の母親の作文を読んで、少しだけ同情してしまった。 物語の中でもSNSの書き込みみたいに進んでたから、色んな人が無神経に人をジャッジしていたり、自分の意見を正しいと信じてやまないところが見えていたりして、面白かった。 まさか恋愛にいくとは思わなかったけど、すごく綺麗な文章だったから読みやすかった。 とにかく言語化が難しいんだけど、本当に「半分こじゃない」と言いたい。別の道があるんじゃない?とも殺す必要はなかったんじゃない?とも言えない。でも、「半分こじゃない」と言いたい。 - 2026年6月20日
盲目的な恋と友情辻村深月読み終わった【感想 ネタバレあり】 登場人物全員ムカつく。 蘭花も、留利絵も、茂実も、菜々子も。 留利絵は特に、コンプレックスが拗れすぎてて本当に腹が立った。 コンマスのことを重大なこととして受け取ってるのは留利絵だけだし、それで美波を嫌うのは意味が分からない。 茂実がいう、「誰にも執着されたことがないから、友達のことも自分のことのように振る舞う」(ニュアンス)という言葉はあながち間違いじゃないと思う。 - 2026年6月13日
重力ピエロ伊坂幸太郎読み終わった【感想 ネタバレあり 自分用】 愛だなあって心から思った。 春のことを許すことも、泉水がどのみち葛城を殺そうとしてたことも、そもそも血の繋がりがない春にも、泉水と同じように"Spring"の意味を込めて名前をつけたことも全部、大きな愛だなと思った。 夏子さんのことは登場時から分かっていたけど、葛城が父親だってことは何故か頭になかった。睡眠薬も、橋のことも、泉水が何か企てているというのは分かったけど、そこと繋がらなかった。結果的に驚きを得ることが出来たので良かったけど。 春と泉水の掛け合いがすごく素敵で、読んでいて楽しかった。 お父さんが春を産むこと、育てることを決めて、その後本当にしっかり愛を持って育てていたことが素敵だった。最後の、「おまえは俺に似て嘘が下手だ」という言葉は、多分、春にも泉水にも、すごく心がほぐれた言葉なんじゃないかと思った。 お父さんが結局ガンで亡くなったのは本当に悲しかったけど、煙に向かって「行け!行け!」というのは、それこそユーモアで溢れた行動だと思ったし、私も次、誰かの煙を見た時にも心の中でそう言おうと思った。
- 2026年6月3日
運命の終い奥田亜希子読み終わった【感想】 だから大地くんは自立にこだわったり、彩香が凪の発熱時に北海道まで行くのを見てあんなことを言ったのかと思った。 彩香も凪にべったりなんじゃないかって多分思ったんだろうなあ。 特に感想もなく、ふーんって感じで終わった。 もし先にあの一節を知っていなかったら、惹かれてたのかもしれない。 - 2026年5月28日
傲慢と善良辻村深月読み終わった【感想 ネタバレ有 自分用】 恋愛が題材だけど、ただの恋愛小説ではなく、現代の恋愛の問題点を取り上げたものでめちゃくちゃ面白かった。 私がまさに思っていること、考えていることをドンピシャで当てられて、それがいかに傲慢な行動なのか身に沁みて感じた。 真美のインスタが自撮りばかりだという描写を見て私も、「本当は自己愛強いんじゃない?」ってその場で思ったし、金居や花垣を断ったのも、恵に色々話してたのも、「見下してるようであなたも他の人から見下されて今の状況になってるんだよ」と思った。 でも、他の人から見下された時に、「機会がなかっただけ、私は花垣にもお見合いを続けたいと言われたんだから」と都合良いことばかり自分に言い聞かせてたり、「嫌味ではなく、この人を好きになれる人が羨ましい」と思うのは痛いほど分かった。 人を、「キスできるかできないか」で判断するのも、付き合ってる相手で自分のスペックを測るのも、すごく分かる。 架の友達はもうめちゃくちゃ腹立ったし、シンプルにそれは酷い人たちだと思う。 でも、結婚を決める時に、「本当にこの人でいいのか」みたいなことはすごく考えちゃうと思うな。私も沢山の機会を逃した自覚があるから、すごく分かる。 純金、18金、メッキの話は多分名古屋のSSKの話かな? 真美の家の結婚観が、昔田舎で育った友達が話してたのと同じすぎて、都会で育った私にはやっぱり理解できないなと思った。 小野里さんのところに訪問した時、本当に頷くことしかできなくて、とにかくすごかった。この本の題名が「傲慢と善良」なのも理解できた。 最後、架がどうして、今回の騒動を経ても真美と結婚しようと思ったのか、真美から連絡が来てから会うまで、どう過ごしてたのかがすごく気になる。 ちゃんと付き合うというか、恋人になるって、相手のことが怖くなくなってからのことなんだなと感じた。
- 2026年5月20日
蛍たちの祈り町田そのこ読み終わった【感想 ネタバレあり 自分用】 大きくなってからの正道の言葉がとても素敵だった。 正道からすると、本当に苦労をしてきたと思うからいっそのこと産んでほしくなかったと何回も思ったと思う。私だったら絶対にそう思う。 産まなかったらそもそもこんなに苦しんで生きることもないし、苦しみながら生きるよりも死ぬ方がマシだと思う。 それでも正道がそういう考えを薄めていったのは隆之とクミコのお陰だと思うし、そういう人に出会えて良かった。 クミコが子ども産むときに、「馬鹿だな」と終始思っていた。 出産とか子どもは一時の感情じゃなくて、本当によく考えて行動してほしいのに、小菅の今後に期待するとか、今までの行動に目を瞑るとか、そういうことをするような人に子供を産まないでほしいと思った。 だから正道がちゃんと言ってくれて良かったと思う。 結果小菅は亡くなったみたいだけど、亡くなってなかったら一緒になってたのかなと思うと、やっぱりそこはクミコに対して許せない気持ちがある。 子どもは親を選べないし、頼るしかないっていうのは痛いほど分かる。別に違う親が良かったとは思わないけど、普通の人生を過ごしてみたかったとは思う。 小さな頃から同じ場所、同じ親、同じ名前で、親に気を使うことなく過ごしてみたかったと思う。 葬儀場で最後に正道が隆之のことをおとうさんと呼べた時は胸がいっぱいになった その気持ちすごい分かる 最後の話しかけてきたおじいさんは別のひと?正道の実父は佐吉で殺されているし、継父も亡くなってるよね? 人それぞれ違う苦しみがあるし、どんな苦しみを抱えているか分からないから、自分が上に立って人の人生や考えにとやかく言うようなことは絶対にしたくないなと思った。
- 2026年4月30日
ハゴロモよしもとばななネタバレあり読み終わった【感想 緩くネタバレあり 自分用】 そもそも主人公が既婚者と不倫をして、相手から関係を終わらせられるところから始まるけど、その根本が私は受け付けなかった。その後かなり長い時間、心に傷を負ってたけど、どうしても「分かってたことやん」「自業自得」としか思えず、主人公の辛さを理解できなかった。 表現はやはり綺麗だったし、その設定さえ受け入れられたらもっと心に響いたんやろうなあと思った。 でも、「心が強い人は体を軽く扱いがち」というのはすごく納得した。私も実際そのタイプだと思うから、体を動かすことは絶えずやっていこうと思った。 - 2026年4月22日
夜市恒川光太郎読み終わった【感想 自分用】 TikTokでこの本を紹介してる投稿を見つけて、そこに載っていた一節が素敵だったから手に取ったのに、その一節が見つけられなかった。 すごく短い話で時間をかけずに読めたからまだ良いけど😢 置いて行かれた弟が、兄のことをそんなに恨んでないのがすごいなと思った。そもそも夜市に入り込んだのも兄のせいなのに、全ての道理を5歳で理解しているのが、辛くもあった。 - 2026年4月21日
クスノキの番人東野圭吾ネタバレあり読み終わった【感想 ネタバレあり 自分用】 家族にまつわる良い話だと思った。 私的に1番刺さったのが、大場家の話。 藤一郎はほんとにできた人だなと思った。 それと同時に、こんなに大事にされても血縁がなければ受念できないという、シビアなものだと思った。 血縁ってすごくややこしくて、滋賀の家にいた時に嫌というほど感じたし、その時は幼かったのもあって、長男である弟の方が少しだけ優遇されてるのを感じたり、母親が部外者のような扱いを受けてたのを目の当たりにしたり、とにかく嫌なイメージが強かった。でも今は、逆に血縁でしか父との繋がりがなくて、それでしか親子であった事実を感じられないから、厄介で、でも深いなあと思った。 藤一郎の、「どの道のどんな男だって、女房の産んだ子が自分の子かどうかなんて分からない。みんな、ただそう信じているだけだ」という言葉は新鮮だった。でもその通りだと思う。でもやっぱり、血ってすごくて、どんなに可愛がって我が子だと疑わなかった子が、実は自分と血が繋がっていないって分かったら遠く感じるようになったり、逆にどんなに離れていて関わりがなかったとしても、血の繋がりがあるだけで他の人とは比べものにならないくらい情が残っていたりするものだと思う。 認識の問題でしかないけど、その認識が及ぼす影響は絶大だと思う。 玲斗と千舟の関係性も良かったし、孤独な者同士、これからも支え合って生きていてほしいなと思った。
- 2026年4月17日
殺し屋の営業術野宮有読み終わった【感想 ネタバレあり】 そもそもストーリーの前提が面白い。 タイトルにもある通り、本当にそのまま殺しの営業マンの話。 ただのミステリーというか、悪の組織のやり合いの話ではなく、依頼人と請負人に焦点を当てた、すごく斬新な設定だった。 ストーリーも一切グダることなく、展開が面白い。 特に最後らへんの鴎木と鳥井の頭脳戦が堪らなく面白かった。 最後の狙いがまさかダイヤとは思わなかった。 途中からは頭脳戦が面白すぎて、3億円を回収しなければならないという目的すら忘れていて、最後のダイヤを取るシーンで思い出したくらいだった。 裏の裏をかくような展開が、ページを捲る手が止まらなかった。 鴎木、鳥居、カラス、百舌、雛沢、羽村など、鳥に関する名前が多かったなあ。 本屋大賞ノミネート納得の作品 - 2026年4月16日
52ヘルツのクジラたち町田そのこ読み終わった【感想 ネタバレあり】 一貫して「52」という呼び方はどうなん?とは思ったけど、最終的に貴湖も52も良い方向に向かいそうで良かった。 52と貴湖の未来のための話かと思いきや、実際は貴湖の過去の話が多かった。 田舎ならではの、噂が回る早さとか、全てを他人に知られている状態とかがすごく気持ち悪かった。 村中も、村中のおばあちゃんもちゃんと良い人で良かったけど、それならもっと早く52の状態に気付いてあげられてたら良かったのにとは思った。 アンさんの話は、すごく現代ならではの結果だったなと思った。 途中まではずっと「そうなら言っておけば良かったんじゃないか」と思ってたけど、母親がトランスジェンダーのことを病気と言ってたり、過度に心配していた様子を見てこれはカミングアウトできないなと貴湖と同じことを思った。 主税も同じことをされていたとはいえ、性別のことを親に言ったりするのは本当に最低だなと思った。でもアンさんも、もっとなんか違う方法があったんじゃないかなとは思った。 遠回しに主税の周りに敵を作っていくと、結局今回みたいに主税の反感を買うだけだし、貴湖のことを主税が大切にしてくれるならそれでいいと思ってたなら、もっと早くそれを伝えるか、貴湖に現状を伝えてあげるなりも出来たんじゃないかなとは思った。 これから昌子さんの家で52が幸せに暮らしていけるかは分からないけど、そうなればいいなと思った。 - 2026年3月24日
かがみの孤城辻村深月読み終わった【感想 ネタバレあり】 面白すぎてページを捲るのをやめられなかった。 伏線回収系の物語だけど、全部回収してくれるし、無理のない感じだし、「それも!?」って思うやつまで理由をつけてくれてめちゃくちゃスッキリした。 みんな別々の世界にいて、それぞれを助け合うことはできないって一旦はなったけど、それでも最終的には全員が誰かしらの救いになってて良かった。 みんな学校へ行けない理由はそれぞれあるけれど、抱えてるものが少しでも軽くなれば良いなと思った。 最後のアキがルールを破ったのも、最初は「なんで他人を巻き込んでまで自分の都合をつけようとするの?」って思ったけど、家庭環境を知ると理解せざるを得なかった。大切な時間を過ごしてきた人達を巻き込んでまで、現実世界に戻るのが辛かったと考えると、すごく被害者なんだろうなと思った。 オオカミさまも実はリオンの姉だったのが驚いたし、最後の会話が心に沁みた。実生のリオンへの愛が本当に素敵で、自分も一緒に過ごすだけじゃなく、リオンに同世代の友達を作ってあげたいというのがとてつもない愛だなと思う。 「ヘヴン」のような、理由のないいじめも少し触れられてたし、多感な時期をすごく解像度高く書かれてたと思う。 - 2026年2月9日
どうしても生きてる朝井リョウ読み終わった【感想 ネタバレ】 「コンビニ人間」もそうだったけど、朝井リョウは決してフィクションとは言い切れないフィクションを書くのが上手いなと思った。 生きていれば誰しもが起こり得ることを色んなタイプの問題に分けて話が作られていて、どれも決して自分に起こらないとは言い切れなかったし、周りの友達が抱えている可能性もあると思った。 結婚や出産の幸せな部分だけ見て生きていきたいのに、不倫、死産、浮気、仕事での不正など、幸せと表裏一体の存在が、いつも考えないようにしているものが浮き上がってみえたから、読んでて気分が悪かったんだと思う。 特に「そんなの痛いにきまってる」は、悲しくなった。自分が思ったことを篩に書けずにそのまま出すことが、吉川さんの本当にしたかったことなんだと思うと、そんな人がそんな理由で社会から疎外されるのは皮肉というか、難しいシステムだなと思った。 一貫して良太とみのりの夫は終始ムカついてた。 最後のみのりの外れくじの話はすごく好きだった。 私も家庭環境が原因で、いわゆる普通の、ノーマルな幼少期ではなかったと思うし、その分良い経験をさせてもらったことは沢山あるけど、それでも他の同い年の子達がしなくていいような思いは多数してきたと思う。「なんで普通の家に生まれなかったんだろう」って思ったことが数え切れないくらいあるけど、それでも巡り巡って今は大好きな人、ものに囲まれて幸せに過ごせてるから、結局外れくじなんてアテにならないと思う。 何が人生を変えるのかは分からないし、見逃してしまうような小さなことかもしれないけど、年老いた時に今までの人生を振り返って「案外当たりくじを引いたな」と思うことができたらいいなと思う。 私には重すぎて、現実に絶望を見出す内容だったので合わなかったけど、良い本だとは思った。 - 2026年1月29日
木曜日にはココアを青山美智子読み終わった【感想 ネタバレ】 幸せな話がいくつか連なってて一つの大きな物語になる形式だった。 すぐ読めるけど、やっぱり私は長い1つの物語を読む方が好きだから、短編集で良い!と思えるものに出会うのは難しい でも今回みたいに、時間があるからサクッと何か読みたい時にはちょうど良かった。重すぎず、軽やかにストーリーが進んでいった ただ私はどうしてもこういう作品の偶然性を受け入れるのが難しくて、分かってはいるんだけど「いや、そんな運命みたいな繋がりないやろ」と思ってしまう ある人の物語が始まって、次の物語はその前の人の物語に出てきた人だっていうのが、そんなに偶然があるほど世の中は優しくないなと思う それを言い始めたら小説なんて読めないけど、この本みたいなそういう展開の仕方はあんまり好きじゃなかった フランスの田舎を走る電車の中で読むにはちょうど良かった。 - 2026年1月14日
透明な夜の香り千早茜読み終わった【ネタバレ 感想】 紳士的で物静かでずっと穏やかな朔さんが所々タメ口になるのがすごくよかったです。 でもそこ以外は、特に盛り上がりもなく、平坦な感じだった。 一香と朔がお互いの傷を見せ合った時も、朔のリアクションとしては薄かったし展開も広がらなかった。 でも最後の結末は、結局また親交が戻って良かったとは思った。 特に可もなく不可もなくなお話でした。 - 2025年12月30日
読み終わった【感想 ネタバレ】 構成は素晴らしかった。 こんなトリックを考えられるのがすごい。 1つの伏線を本の構成全体で回収してるのが面白かった。 ただ内容はかなり王道というか、まあ良くある感動ものだなと思った。堕胎も、燈真向けの本だったということもかなり序盤から予想できた。燃やした犯人が母親だったことは予想できなかったけど。 今更本を送ることも、最後の「 」の言葉も、物語でしか成立しない感動だと思う。良い様に書かれているけど、別に親としては当たり前だしなんなら不倫で子供を作ること自体信じられない。 最後の展開も、「いやあなたが書くんかい」って思った。継ぐのは分かるけど、別にそういう展開は望んでなかったかなーという感じ。 死後にある特定の人物を知るために色々な人に話を聞くっていうのは永遠の0と同じで、面白かった。そんなに長い話じゃないからだとは思うけど、もう少しそこを掘り下げて欲しかったなとは思う。 - 2025年12月24日
カフネ阿部暁子読み終わった【感想 ネタバレ】 物語もそんなに複雑じゃなく、ずっと綺麗で整頓されていて、本屋大賞受賞するのも頷ける作品だった。 せつなと薫子がだんだん仲良くなっていって、せつなが少しバカにしてみたいな2人のやりとりがすごく好きだったし、春彦はきっとこの2人が仲良くなってくれることを願ってたんだろうなと思った。そんな風に思う春彦がすごく優しい人だということが分かる。 「自分の命をどう使うか自分で決めていいのよ」と言われてから死んだので、最初はそれで自殺を、自分で自分の命を終わらせることを選んだのかと思ってたけど、そうではなかったのが本当に良かった。 出てくる登場人物がみんな優しくて、思いやりがあって、良い人で、引っかかることなく読めた。 薫子が春彦を思い出したり、生前の春彦に触れる時の表現がやけに鮮明で、その度に胸がいっぱいになった。特に、トキさんが薫子に動画を見せている時、「一瞬たりとも逃したくない」というのがよく伝わってきた。 遺産の話から始まって、こんなにも心があったかくなる話になるとは思わなかった。 ただ、多様性の話とか色々な家族の話がすごくリアルだったから、とても現代的で、今の大衆向けの話だなとは思った。 「汝、星のごとく」のような。 本屋大賞を受賞したのも納得だけど、なんというか、すごく悪い言い方をすると大衆に媚びているというか、そんな感じが少しだけした。少し前の時代に出ていたら、また違った評価なんだろうな。 - 2025年12月19日
ミトンとふびん吉本ばなな読み終わった【感想 ネタバレ】 同著者の「デッドエンドの思い出」がとても良かったので期待してたけど、今回はあまり相性が良くなかった。 デッドエンドと同じく、全ての物語の設定が少しずつ似ていて、小さな不幸が小さな幸せに変わっていくところを書いているんだけど、今回は個人的に恋愛の要素、それも大人のものが多くて、理解出来ないものがほとんどだった。 特にシンシンの、「簡単に力でねじ伏せられるのにそれをしないことが愛」という言葉には賛同できない。なんかそんな、暴力的なものではないと思った。 でも、ジャンルーカの言葉は素敵だと思ったし、離婚した後になかなか会えなかった父に伝えた言葉も痛いほど共感できた。 死とか別れがどうしようもないもので、それをどうやって幸せに変えていくか、人それぞれこんな方法があるよっていう本だった。根本はデッドエンドとあまり変わっていないと思った。 - 2025年12月18日
祝祭と予感恩田陸読み終わった【感想 ネタバレ】 第一章で、謎に包まれてた風間塵の家族について少し知れて嬉しかった。本編ではお母さんについて全く言及されてなくて、ピアノも持ってない、ボロボロの服でオーディションにきてるという状況から、「決して裕福ではないお家なんだろうな」と勝手に思ってたけど全くそうではなく、少し知れたのにますます分からなくなった。もっと風間塵について教えて欲しかった。 でも、この全部は語らないのが恩田陸の良さの一つでもあると思う。 第二章の菱沼氏の話では、最後の「この曲を、二人のケンジに捧ぐ」という文章で胸がいっぱいになった。それを明石は上手に捉えてたんだと思うし、宮沢賢治ゆかりの地まで足を運んだと言っていたから、それがなんとなく菱沼氏に伝わったのかなと思った。明石のその後も知りたかった。 最後の、ホフマンと風間塵の出会いの章を1番楽しみにしていたのに、あっけなく終わった。その後どうやって師事することになったのか、ホフマンが通ってどうやってレッスンしているのか、ホフマンが亡くなった時の風間塵の様子など、沢山教えて欲しかった。 本編の熱からまだ冷めてないうちに読めたのでとても良かった。 - 2025年12月16日
蜜蜂と遠雷恩田陸読み終わった【感想 ネタバレ】 ありえないくらいの情報量と美しい文章で、良い意味でとても読んでて疲れた本だった。 マサル、亜夜、明石、塵の4人のコンテスタントにフォーカスされてたけど、それぞれのターンにそれぞれの味があった。特に好きなのは亜夜と風間塵。亜夜は転落からの復活という心情とか感情とか、そういった人生の物語が中心に書かれていたから、毎回の演奏ごとにすごく胸がいっぱいになった。音楽とピアノに縋りつこうとしてるその姿が必死で、風間塵とは別の良さがあった。カデンツァを即興で決めるくらいの才能があるのに、そのブランクのせいかはたまた性格のせいか、しっかりと自分を俯瞰して見れるところがいいなと思った。彼女が舞台に上がる時の表現が素敵だった。 一方で風間塵は、終始感情の表現が少なくて、まさに「何を考えてるのか分からない天才」といった感じだった。でもステージは圧巻。文字を読んでいるだけなのに、彼の凄さと恐ろしさが目に見えて分かった気がする。掴みどころがなくて野生児ぽくて、ぼーっとしてるように見えて、当たり前かもしれないけどピアノの曲には詳しくて、調律もできてっていうその相反するイメージが、風間塵がいかにチグハグなのかを物語っていたと思う。特に三次予選では、自ら編曲まで行っていて鳥肌がたった。 クラシックは全く分からないから、所々で曲を調べて聴きながら読み進めると、「これ弾いたのかあ」って思いながら入り込めて良かった。 明石や奏の葛藤も、リアルで面白かった。 音楽というどうしても才能に任せてしまう分野で、どう苦しんでどう楽しむのかっていうのが少しだけ分かったと思う。ほんの一握りの人間にしか感じることができない世界を、少しだけ垣間見れて楽しかった。 私もこんなふうに、つらくて素晴らしい世界で生きてみたかったなと思った。 この本がある限り、私は何度でも人間、音楽の素晴らしさに気付けると思う。 読み終わってからもしばらく、ずっと余韻に浸っていたいし、次の本に進みたくないと思った。この余韻を消してしまいたくないと思う。
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