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@aooimmo
  • 2026年5月20日
    蛍たちの祈り
    蛍たちの祈り
    【感想 ネタバレあり 自分用】 大きくなってからの正道の言葉がとても素敵だった。 正道からすると、本当に苦労をしてきたと思うからいっそのこと産んでほしくなかったと何回も思ったと思う。私だったら絶対にそう思う。 産まなかったらそもそもこんなに苦しんで生きることもないし、苦しみながら生きるよりも死ぬ方がマシだと思う。 それでも正道がそういう考えを薄めていったのは隆之とクミコのお陰だと思うし、そういう人に出会えて良かった。 クミコが子ども産むときに、「馬鹿だな」と終始思っていた。 出産とか子どもは一時の感情じゃなくて、本当によく考えて行動してほしいのに、小菅の今後に期待するとか、今までの行動に目を瞑るとか、そういうことをするような人に子供を産まないでほしいと思った。 だから正道がちゃんと言ってくれて良かったと思う。 結果小菅は亡くなったみたいだけど、亡くなってなかったら一緒になってたのかなと思うと、やっぱりそこはクミコに対して許せない気持ちがある。 子どもは親を選べないし、頼るしかないっていうのは痛いほど分かる。別に違う親が良かったとは思わないけど、普通の人生を過ごしてみたかったとは思う。 小さな頃から同じ場所、同じ親、同じ名前で、親に気を使うことなく過ごしてみたかったと思う。 葬儀場で最後に正道が隆之のことをおとうさんと呼べた時は胸がいっぱいになった その気持ちすごい分かる 最後の話しかけてきたおじいさんは別のひと?正道の実父は佐吉で殺されているし、継父も亡くなってるよね? 人それぞれ違う苦しみがあるし、どんな苦しみを抱えているか分からないから、自分が上に立って人の人生や考えにとやかく言うようなことは絶対にしたくないなと思った。
    蛍たちの祈り
  • 2026年4月30日
    ハゴロモ
    ハゴロモ
    【感想 緩くネタバレあり 自分用】 そもそも主人公が既婚者と不倫をして、相手から関係を終わらせられるところから始まるけど、その根本が私は受け付けなかった。その後かなり長い時間、心に傷を負ってたけど、どうしても「分かってたことやん」「自業自得」としか思えず、主人公の辛さを理解できなかった。 表現はやはり綺麗だったし、その設定さえ受け入れられたらもっと心に響いたんやろうなあと思った。 でも、「心が強い人は体を軽く扱いがち」というのはすごく納得した。私も実際そのタイプだと思うから、体を動かすことは絶えずやっていこうと思った。
  • 2026年4月22日
    夜市
    夜市
    【感想 自分用】 TikTokでこの本を紹介してる投稿を見つけて、そこに載っていた一節が素敵だったから手に取ったのに、その一節が見つけられなかった。 すごく短い話で時間をかけずに読めたからまだ良いけど😢 置いて行かれた弟が、兄のことをそんなに恨んでないのがすごいなと思った。そもそも夜市に入り込んだのも兄のせいなのに、全ての道理を5歳で理解しているのが、辛くもあった。
  • 2026年4月21日
    クスノキの番人
    【感想 ネタバレあり 自分用】 家族にまつわる良い話だと思った。 私的に1番刺さったのが、大場家の話。 藤一郎はほんとにできた人だなと思った。 それと同時に、こんなに大事にされても血縁がなければ受念できないという、シビアなものだと思った。 血縁ってすごくややこしくて、滋賀の家にいた時に嫌というほど感じたし、その時は幼かったのもあって、長男である弟の方が少しだけ優遇されてるのを感じたり、母親が部外者のような扱いを受けてたのを目の当たりにしたり、とにかく嫌なイメージが強かった。でも今は、逆に血縁でしか父との繋がりがなくて、それでしか親子であった事実を感じられないから、厄介で、でも深いなあと思った。 藤一郎の、「どの道のどんな男だって、女房の産んだ子が自分の子かどうかなんて分からない。みんな、ただそう信じているだけだ」という言葉は新鮮だった。でもその通りだと思う。でもやっぱり、血ってすごくて、どんなに可愛がって我が子だと疑わなかった子が、実は自分と血が繋がっていないって分かったら遠く感じるようになったり、逆にどんなに離れていて関わりがなかったとしても、血の繋がりがあるだけで他の人とは比べものにならないくらい情が残っていたりするものだと思う。 認識の問題でしかないけど、その認識が及ぼす影響は絶大だと思う。 玲斗と千舟の関係性も良かったし、孤独な者同士、これからも支え合って生きていてほしいなと思った。
    クスノキの番人
  • 2026年4月17日
    殺し屋の営業術
    【感想 ネタバレあり】 そもそもストーリーの前提が面白い。 タイトルにもある通り、本当にそのまま殺しの営業マンの話。 ただのミステリーというか、悪の組織のやり合いの話ではなく、依頼人と請負人に焦点を当てた、すごく斬新な設定だった。 ストーリーも一切グダることなく、展開が面白い。 特に最後らへんの鴎木と鳥井の頭脳戦が堪らなく面白かった。 最後の狙いがまさかダイヤとは思わなかった。 途中からは頭脳戦が面白すぎて、3億円を回収しなければならないという目的すら忘れていて、最後のダイヤを取るシーンで思い出したくらいだった。 裏の裏をかくような展開が、ページを捲る手が止まらなかった。 鴎木、鳥居、カラス、百舌、雛沢、羽村など、鳥に関する名前が多かったなあ。 本屋大賞ノミネート納得の作品
  • 2026年4月16日
    52ヘルツのクジラたち
    【感想  ネタバレあり】 一貫して「52」という呼び方はどうなん?とは思ったけど、最終的に貴湖も52も良い方向に向かいそうで良かった。 52と貴湖の未来のための話かと思いきや、実際は貴湖の過去の話が多かった。 田舎ならではの、噂が回る早さとか、全てを他人に知られている状態とかがすごく気持ち悪かった。 村中も、村中のおばあちゃんもちゃんと良い人で良かったけど、それならもっと早く52の状態に気付いてあげられてたら良かったのにとは思った。 アンさんの話は、すごく現代ならではの結果だったなと思った。 途中まではずっと「そうなら言っておけば良かったんじゃないか」と思ってたけど、母親がトランスジェンダーのことを病気と言ってたり、過度に心配していた様子を見てこれはカミングアウトできないなと貴湖と同じことを思った。 主税も同じことをされていたとはいえ、性別のことを親に言ったりするのは本当に最低だなと思った。でもアンさんも、もっとなんか違う方法があったんじゃないかなとは思った。 遠回しに主税の周りに敵を作っていくと、結局今回みたいに主税の反感を買うだけだし、貴湖のことを主税が大切にしてくれるならそれでいいと思ってたなら、もっと早くそれを伝えるか、貴湖に現状を伝えてあげるなりも出来たんじゃないかなとは思った。 これから昌子さんの家で52が幸せに暮らしていけるかは分からないけど、そうなればいいなと思った。
  • 2026年3月24日
    かがみの孤城
    かがみの孤城
    【感想 ネタバレあり】 面白すぎてページを捲るのをやめられなかった。 伏線回収系の物語だけど、全部回収してくれるし、無理のない感じだし、「それも!?」って思うやつまで理由をつけてくれてめちゃくちゃスッキリした。 みんな別々の世界にいて、それぞれを助け合うことはできないって一旦はなったけど、それでも最終的には全員が誰かしらの救いになってて良かった。 みんな学校へ行けない理由はそれぞれあるけれど、抱えてるものが少しでも軽くなれば良いなと思った。 最後のアキがルールを破ったのも、最初は「なんで他人を巻き込んでまで自分の都合をつけようとするの?」って思ったけど、家庭環境を知ると理解せざるを得なかった。大切な時間を過ごしてきた人達を巻き込んでまで、現実世界に戻るのが辛かったと考えると、すごく被害者なんだろうなと思った。 オオカミさまも実はリオンの姉だったのが驚いたし、最後の会話が心に沁みた。実生のリオンへの愛が本当に素敵で、自分も一緒に過ごすだけじゃなく、リオンに同世代の友達を作ってあげたいというのがとてつもない愛だなと思う。 「ヘヴン」のような、理由のないいじめも少し触れられてたし、多感な時期をすごく解像度高く書かれてたと思う。
  • 2026年2月9日
    どうしても生きてる
    【感想 ネタバレ】 「コンビニ人間」もそうだったけど、朝井リョウは決してフィクションとは言い切れないフィクションを書くのが上手いなと思った。 生きていれば誰しもが起こり得ることを色んなタイプの問題に分けて話が作られていて、どれも決して自分に起こらないとは言い切れなかったし、周りの友達が抱えている可能性もあると思った。 結婚や出産の幸せな部分だけ見て生きていきたいのに、不倫、死産、浮気、仕事での不正など、幸せと表裏一体の存在が、いつも考えないようにしているものが浮き上がってみえたから、読んでて気分が悪かったんだと思う。 特に「そんなの痛いにきまってる」は、悲しくなった。自分が思ったことを篩に書けずにそのまま出すことが、吉川さんの本当にしたかったことなんだと思うと、そんな人がそんな理由で社会から疎外されるのは皮肉というか、難しいシステムだなと思った。 一貫して良太とみのりの夫は終始ムカついてた。 最後のみのりの外れくじの話はすごく好きだった。 私も家庭環境が原因で、いわゆる普通の、ノーマルな幼少期ではなかったと思うし、その分良い経験をさせてもらったことは沢山あるけど、それでも他の同い年の子達がしなくていいような思いは多数してきたと思う。「なんで普通の家に生まれなかったんだろう」って思ったことが数え切れないくらいあるけど、それでも巡り巡って今は大好きな人、ものに囲まれて幸せに過ごせてるから、結局外れくじなんてアテにならないと思う。 何が人生を変えるのかは分からないし、見逃してしまうような小さなことかもしれないけど、年老いた時に今までの人生を振り返って「案外当たりくじを引いたな」と思うことができたらいいなと思う。 私には重すぎて、現実に絶望を見出す内容だったので合わなかったけど、良い本だとは思った。
  • 2026年1月29日
    木曜日にはココアを
    【感想 ネタバレ】 幸せな話がいくつか連なってて一つの大きな物語になる形式だった。 すぐ読めるけど、やっぱり私は長い1つの物語を読む方が好きだから、短編集で良い!と思えるものに出会うのは難しい でも今回みたいに、時間があるからサクッと何か読みたい時にはちょうど良かった。重すぎず、軽やかにストーリーが進んでいった ただ私はどうしてもこういう作品の偶然性を受け入れるのが難しくて、分かってはいるんだけど「いや、そんな運命みたいな繋がりないやろ」と思ってしまう ある人の物語が始まって、次の物語はその前の人の物語に出てきた人だっていうのが、そんなに偶然があるほど世の中は優しくないなと思う それを言い始めたら小説なんて読めないけど、この本みたいなそういう展開の仕方はあんまり好きじゃなかった フランスの田舎を走る電車の中で読むにはちょうど良かった。
  • 2026年1月14日
    透明な夜の香り
    【ネタバレ 感想】 紳士的で物静かでずっと穏やかな朔さんが所々タメ口になるのがすごくよかったです。 でもそこ以外は、特に盛り上がりもなく、平坦な感じだった。 一香と朔がお互いの傷を見せ合った時も、朔のリアクションとしては薄かったし展開も広がらなかった。 でも最後の結末は、結局また親交が戻って良かったとは思った。 特に可もなく不可もなくなお話でした。
  • 2025年12月30日
    世界でいちばん透きとおった物語
    【感想 ネタバレ】 構成は素晴らしかった。 こんなトリックを考えられるのがすごい。 1つの伏線を本の構成全体で回収してるのが面白かった。 ただ内容はかなり王道というか、まあ良くある感動ものだなと思った。堕胎も、燈真向けの本だったということもかなり序盤から予想できた。燃やした犯人が母親だったことは予想できなかったけど。 今更本を送ることも、最後の「     」の言葉も、物語でしか成立しない感動だと思う。良い様に書かれているけど、別に親としては当たり前だしなんなら不倫で子供を作ること自体信じられない。 最後の展開も、「いやあなたが書くんかい」って思った。継ぐのは分かるけど、別にそういう展開は望んでなかったかなーという感じ。 死後にある特定の人物を知るために色々な人に話を聞くっていうのは永遠の0と同じで、面白かった。そんなに長い話じゃないからだとは思うけど、もう少しそこを掘り下げて欲しかったなとは思う。
  • 2025年12月24日
    カフネ
    カフネ
    【感想 ネタバレ】 物語もそんなに複雑じゃなく、ずっと綺麗で整頓されていて、本屋大賞受賞するのも頷ける作品だった。 せつなと薫子がだんだん仲良くなっていって、せつなが少しバカにしてみたいな2人のやりとりがすごく好きだったし、春彦はきっとこの2人が仲良くなってくれることを願ってたんだろうなと思った。そんな風に思う春彦がすごく優しい人だということが分かる。 「自分の命をどう使うか自分で決めていいのよ」と言われてから死んだので、最初はそれで自殺を、自分で自分の命を終わらせることを選んだのかと思ってたけど、そうではなかったのが本当に良かった。 出てくる登場人物がみんな優しくて、思いやりがあって、良い人で、引っかかることなく読めた。 薫子が春彦を思い出したり、生前の春彦に触れる時の表現がやけに鮮明で、その度に胸がいっぱいになった。特に、トキさんが薫子に動画を見せている時、「一瞬たりとも逃したくない」というのがよく伝わってきた。 遺産の話から始まって、こんなにも心があったかくなる話になるとは思わなかった。 ただ、多様性の話とか色々な家族の話がすごくリアルだったから、とても現代的で、今の大衆向けの話だなとは思った。 「汝、星のごとく」のような。 本屋大賞を受賞したのも納得だけど、なんというか、すごく悪い言い方をすると大衆に媚びているというか、そんな感じが少しだけした。少し前の時代に出ていたら、また違った評価なんだろうな。
  • 2025年12月19日
    ミトンとふびん
    ミトンとふびん
    【感想 ネタバレ】 同著者の「デッドエンドの思い出」がとても良かったので期待してたけど、今回はあまり相性が良くなかった。 デッドエンドと同じく、全ての物語の設定が少しずつ似ていて、小さな不幸が小さな幸せに変わっていくところを書いているんだけど、今回は個人的に恋愛の要素、それも大人のものが多くて、理解出来ないものがほとんどだった。 特にシンシンの、「簡単に力でねじ伏せられるのにそれをしないことが愛」という言葉には賛同できない。なんかそんな、暴力的なものではないと思った。 でも、ジャンルーカの言葉は素敵だと思ったし、離婚した後になかなか会えなかった父に伝えた言葉も痛いほど共感できた。 死とか別れがどうしようもないもので、それをどうやって幸せに変えていくか、人それぞれこんな方法があるよっていう本だった。根本はデッドエンドとあまり変わっていないと思った。
  • 2025年12月18日
    祝祭と予感
    【感想 ネタバレ】 第一章で、謎に包まれてた風間塵の家族について少し知れて嬉しかった。本編ではお母さんについて全く言及されてなくて、ピアノも持ってない、ボロボロの服でオーディションにきてるという状況から、「決して裕福ではないお家なんだろうな」と勝手に思ってたけど全くそうではなく、少し知れたのにますます分からなくなった。もっと風間塵について教えて欲しかった。 でも、この全部は語らないのが恩田陸の良さの一つでもあると思う。 第二章の菱沼氏の話では、最後の「この曲を、二人のケンジに捧ぐ」という文章で胸がいっぱいになった。それを明石は上手に捉えてたんだと思うし、宮沢賢治ゆかりの地まで足を運んだと言っていたから、それがなんとなく菱沼氏に伝わったのかなと思った。明石のその後も知りたかった。 最後の、ホフマンと風間塵の出会いの章を1番楽しみにしていたのに、あっけなく終わった。その後どうやって師事することになったのか、ホフマンが通ってどうやってレッスンしているのか、ホフマンが亡くなった時の風間塵の様子など、沢山教えて欲しかった。 本編の熱からまだ冷めてないうちに読めたのでとても良かった。
  • 2025年12月16日
    蜜蜂と遠雷
    【感想 ネタバレ】 ありえないくらいの情報量と美しい文章で、良い意味でとても読んでて疲れた本だった。 マサル、亜夜、明石、塵の4人のコンテスタントにフォーカスされてたけど、それぞれのターンにそれぞれの味があった。特に好きなのは亜夜と風間塵。亜夜は転落からの復活という心情とか感情とか、そういった人生の物語が中心に書かれていたから、毎回の演奏ごとにすごく胸がいっぱいになった。音楽とピアノに縋りつこうとしてるその姿が必死で、風間塵とは別の良さがあった。カデンツァを即興で決めるくらいの才能があるのに、そのブランクのせいかはたまた性格のせいか、しっかりと自分を俯瞰して見れるところがいいなと思った。彼女が舞台に上がる時の表現が素敵だった。 一方で風間塵は、終始感情の表現が少なくて、まさに「何を考えてるのか分からない天才」といった感じだった。でもステージは圧巻。文字を読んでいるだけなのに、彼の凄さと恐ろしさが目に見えて分かった気がする。掴みどころがなくて野生児ぽくて、ぼーっとしてるように見えて、当たり前かもしれないけどピアノの曲には詳しくて、調律もできてっていうその相反するイメージが、風間塵がいかにチグハグなのかを物語っていたと思う。特に三次予選では、自ら編曲まで行っていて鳥肌がたった。 クラシックは全く分からないから、所々で曲を調べて聴きながら読み進めると、「これ弾いたのかあ」って思いながら入り込めて良かった。 明石や奏の葛藤も、リアルで面白かった。 音楽というどうしても才能に任せてしまう分野で、どう苦しんでどう楽しむのかっていうのが少しだけ分かったと思う。ほんの一握りの人間にしか感じることができない世界を、少しだけ垣間見れて楽しかった。 私もこんなふうに、つらくて素晴らしい世界で生きてみたかったなと思った。 この本がある限り、私は何度でも人間、音楽の素晴らしさに気付けると思う。 読み終わってからもしばらく、ずっと余韻に浸っていたいし、次の本に進みたくないと思った。この余韻を消してしまいたくないと思う。
  • 2025年12月8日
    同志少女よ、敵を撃て
    【感想 ネタバレあり】 もうとにかく臨場感がすごいの一言に尽きた。かなり分厚い本だったから、地形とか作戦の詳細は読み飛ばしちゃってたけど満足感と読み終わった後のしんどさがすごい。 序盤でアヤが死んで普通に悲しかったし、その後の戦いでも活躍するアヤが見たかった。 最初は、ミハイルとセラフィマが軍隊で再会→紆余曲折を経て戦後にまた仲良くなって結婚!とかだと思ってたけど、まさかセラフィマがミハイルを殺すことになるとは思ってなかった。もちろんミハイルは許せないけど、悲しかった。 結局あれはミハイルもそういう人間だったってことよね? 1番好きだったのはスターリングラード戦だけど、ユリアンも隊長も本当に生きてほしかった。双子の同級生を囮にして感情で撃ってしまったユリアンのことを、最初は「罠だって分かってるのになんでそんなことするの?もっと冷静に考えないと」って思ってたけど、私がユリアンの立場でも耐えられないと思う。 第二次世界大戦におけるソ連の話を初めて知って、こんなに酷い戦いが繰り広げられていたとは思わなかった。最後の方で「ロシアとウクライナの平和は続くだろうか」と書かれてて、胸が痛くなった。 題名の「同志少女よ」はロシアから見たセラフィマに対する言葉だと思ってたけど、実はセラフィマから、同じ戦うロシア人の女性に対して、そして虐げられる全ての(ドイツ人も含めて)女性に対してなんだと思って、伏線回収が綺麗すぎてびっくりした。
  • 2025年11月4日
    神様のボート
    神様のボート
    【ネタバレ 感想】 ありきたりな感想だけど、葉子の勝手さにずっとイライラしていた。草子のことを宝物と言っているにも関わらず、どうしてその草子に負担をかけるようなことをしてるのか。引っ越しを重ねて、草子が良い思いをしているわけがないのに、それに気付いているのになんで続けるのか。 結局は草子よりもあの人が大切で、草子を宝物だと思うのも、あの人と自分の繋がりを証明する唯一のものだからなのだと思う。 背骨を褒めるのも、長所をなんでもあの人に繋げるのも、本当にイライラしたし悲しくなった。 あの人とのエピソードを断片的に話すのもイライラした。子供から見て親は親なのであり、男と女ではない。それを分からず、ずっとただの女として生きていて、腹が立った。 私の母も1人で私たち子供を育てていた時期があるけど、今もその時も変わらず、私たちを一番に考えていてくれたから、余計に勝手すぎるなと思った。 草子が家を出た時点で、「いつ死んでもいい、早く死にたい」と言っているのを見て、草子の未来を何も考えず、自分の気持ちだけを優先していてイライラした。、 親として本当に失格だし、今でいう毒親なのだとろうなと思う。 それでも親というのは子供にとって全てであるから、最後に草子が弱った葉子を見て「帰ろうか?」と言ったのは、洗脳や支配に近いと思う。どれだけ親が狂っていようと、子供にとっては全てなのだと思った。 結末は、現実なのか、はたまたせん妄なのか、死なのか分からないけど、最後までモヤモヤした作品だった。
  • 2025年10月18日
    木洩れ日に泳ぐ魚
    【ネタバレ 感想】 本当によく言葉を選んで作られているなと思った。最初は当然恋人同士だと思ってたけど、破局とか別れるって言葉を使わずに別離って言葉を使っていて、ヒロが実沙子から貰ったマフラーを着けているシーンでアキがヒロの浮気に気付いたのかと思ってたけど、アキも付き合ってる人がいて、「そう言われてみれば…」という感じで、直接的に恋人だということは言われていなかった。 どんどん真相を解明していって、とても続きが気になった。 本音を隠して静かに苦しんでいる姿は、登場人物の全てを見れる読者の特権だと思った。 恩田陸さんの作品は、細かい心理描写がすごく繊細に書かれていて、しかもそれが心の中で思っていることが多いから、読んでいて全部を知れて、得をした気分になる。 結局はアキが大人で、ヒロが子供なんだなと思った。 正直、ヒロはこれからもその未熟さのせいで苦しんでほしいと思ったし、アキには幸せが訪れればいいなと思う。
    木洩れ日に泳ぐ魚
  • 2025年10月17日
    羊と鋼の森
    羊と鋼の森
    【感想 若干ネタバレあり】 全体的に表現がすごく綺麗で読みやすかった。 音楽と森、木を結びつけてるのが新鮮だったし、特に外村が最初に板鳥さんの調律を聞いて衝撃を受けるシーンが、私にも穏やかでみずみずしい風や森がイメージできるくらい美しい文章だった。 柳さんのキャラもすごくいいし、秋野さんも、最初は「いるよね、こんな意地悪なおじさん」って思ってたけど、打ち解けて良い会話をしてるなと思った。 調律には何が大切か、という問いに対してみんながそれぞれ回答してて、それどれもがそれぞれの正解であって唯一の答えなんかなくて、だからみんなひたむきにコツコツとやり続けないといけないんだなと思った。 秋野さんがピアニストを諦めたっていう話も、諦めるってすごくマイナスな感じがするけど、この話の中ではそんなに悪いことじゃないように思えた。「一万時間やってもできなくて、でも二万時間やれば出来るかもしれないと思う」っていうのはまさにその通りだと思うし、そこで辞めずに続けるのも、諦めるのも、正しい答えはないんだな思った。
    羊と鋼の森
  • 2025年10月2日
    デッドエンドの思い出
    デッドエンドの思い出
    【画像ネタバレ 感想】 すごくすごく良かった。 本当に存在する誰かの人生を少しだけ、5つ覗き見したような感じだった。 人によって幸せと不幸は違うけど、皆んなその2つを、バランスを取りながら心を保ちながら生きているんだなと思った。 当たり前だけど、人の数だけ人生があるんだなと思った。 出会いも別れも、生きていたら必ず経験することで、その時にどういうことを思うのか、その先をどう生きていこうとするのかっていうところの選択肢は無限大にあって、正解も不正解も分からない、本当に大きな流れの中で生きていかないといけないと思うんだけど、その中で「こういう考え方もあるよ」「この人はこういう選択肢をしてみたよ」っていう、アドバイスでも指南書でもない、人生相談をみんなでしているみたいな本だった。 読んでいると、私の人生も考えも、否定されることも肯定されることもなく、ただそのまま在っていいんだと思えた。 2作目の「おかあさーん!」は、私の家庭状況と少しだけ似ているところがあって、私が自分のかつての父に寄せている思いと同じだった。 事実から見ると、父が私たちにしたことは本当に酷いことだと思うし、してはならなかったことだけど、それでも私には幼い頃に父から大切にしてもらった楽しい記憶があるし、その頃の父が偽物だったとも思えないから、私にしか分からない私だけの父がそこにはいるんだと思ったし、そう思っていいんだと思った。客観的に見た父ではなく、私の記憶が持つ父は存在したままで大丈夫なんだと思った。 この本に出てくる登場人物はみんな、その後どうなったのかっていうのは分からないけど、そこがまた良かった。 人生っていうのは自分で創り出していくもので、少しずつ糸を紡いで、時には破れて、その破れた箇所を直していくようなものだなと思った。 また辛いことや、何か悲しいことがあった時に読もうと思った。この本の中にいる人達に人生相談をして、勇気を貰って、また糸を紡いでいけるように、片手に持っておこうと思った。
    デッドエンドの思い出
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