
小池陽慈
@koike_yoji
2025年10月17日
ヘーゲル「精神現象学」3月
斎藤幸平
読み終わった
対立を不可避の前提として受け入れながらも、互いが自己批判をすることで相互承認を実現する──そのための、対話。
……という理念は、正論としてはわかる。
……しかし………それならば、私たちは、悪辣なヘイトスピーチを繰り返す連中にも、耳を傾けねばならないということか…?
いや……私──この社会のマジョリティとして存在する者──ならばまだしも、そうした対話を、ヘイトスピーチという暴力の、直接の対象となっているマイノリティにも求めると言うのだろうか。もしそうであると言うなら、私は、それは、端的にセカンドレイプに等しいと思う。
あるいは、逆に、ヘイトスピーチをしている側を、「自己批判からの相互承認が大切だよ」と諭し、頷かせることなど、可能なのだろうか。
"分断を乗り越えるための対話"という理念は、いま、アポリアに陥っている。それが、本書を読み終えての、率直な感想だ。



