
あむ
@Petrichor
2025年10月18日
汝、星のごとく
凪良ゆう
読み終わった
エピローグを読んだあとにプロローグを読み返したとき、受ける印象がまったく違う。
愛と人生の選択の「正しさ」とは何かを考えさせられる作品でした。
以下ネタバレ含みます
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「友達がやめた方がいいという相手とは恋愛しない方がいい」という言葉をよく聞く。
自分がその最中にいるときはそんなの嘘だと思う。友達に自分の何がわかるのだ、たとえこの愛が間違った形だったとしても、私は今この愛に救われているのだと。
そしてその愛が悪い形で終わったとき、やはりその言葉は正しいよなと思う。次は友達に祝福してもらえるような愛を育まねばと。
そんな理屈をずっとこねてきたけれど、この物語を読んで思ったことがある。
自分で選んだ場所であればいいのだ。
正しくても、正しくなくても。
正直この物語の登場人物は皆少しずつ歪んでいて、暁海の言う「島民共有の現在進行形リアル・エンタテインメント」になるような、世間からはおかしいと糾弾されるような人間ばかりだ。
ただ、自分の大切にしたいものをまっすぐに大切にして、誰になんと言われようとそれを貫き通す人々は、私には美しく眩しく見えた。
美しく眩しく見えるように、描いているのかもしれない。
自分の人生における重要な選択が、世間からしても正しいものであればラッキーだなと思う。
ただ、それが正しくなかったとしても、やっぱり正しい方を選べばよかったと後悔するのではなく、暁海のように、北原先生のように、瞳子さんのように、それでいいのだと、それが自分の選んだ道なのだと、胸を張れる自分でいたいと思った。


