
おたふく
@otahuku2203
2025年10月18日

エレガンス
石川智健
@ 自宅
まだ途中だけど、空襲の描写が多くてミステリーというより、戦争のドキュメンタリーを観ている気分になる。参考文献でよく調べたのだろうなぁ⋯。1944年〜1945年が舞台で終戦の直前なのに、人々が生活して、仕事していて、という描写にはっとする。食料の配給は少なくて、空腹で困窮しているのに働いていて、また戦争が始まったら、こんなふうにぬるりと生活を侵食してくるんだろうなぁ⋯。いやだなぁ。楽しいことだけがなくなっていく感じ。
洋装している女性に攻撃的な言動する人が出てくるのだけど、The全体主義という感じで本当に嫌。現代はQOLという考えも広まってきたけど、全体主義が蔓延したら、QOLなんか軽視されて全然合理的じゃないのに規制することが正義という風潮になるんだろうなぁ。人は自分が快適な暮らしができていれば、人権意識や動物愛護といった他人を尊重する考えができるけど、困窮すると排他的になるからなぁ⋯それは現代も同じだなと思う。昨今の排外主義を見ると。
小説の中では全然捜査が進展してないけど、戦中の描写が細かいのでそんなことを思った。
