
くりこ
@kurikomone
2025年10月19日

愛と欲望のナチズム
田野大輔
読んでる
第二章
健全な性生活
性の解放を求める一方同性愛者を抑圧して行く姿勢について。
ここは、『セックスワークスタディズ』の、なぜ近代社会は性について語りにくいか、にも似たようなこと書いてあったような。
p.67〈性的啓の推進をもとめる声高な主張は、性生活への介入を強化しようとする精神療法の権力要求と結びついていた。それは性の抑圧に悩む人間を解放するかわりに、彼らを一種の性の牢獄に閉じ込め、国家の用に供するものにほかならなかったのである。…この牢獄は排除のメカニズムを内包していた〉
p.69<人種的に望ましい結婚と健康な子供の出生を奨励することで、ナチズムはそれまでベールに覆い隠され、抑圧されてきた性を白日のもとにさらし、良心の呵責や罪悪感から解放すると同時に、丸裸になった性を権力の網にからめ取って、民族の再生産装置として有効活用をはかったのである。>

