roiban "侵蝕列車" 2025年10月14日

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@roiban
2025年10月14日
侵蝕列車
侵蝕列車
サラ・ブルックス,
川野靖子
良かった。「変化」と呼ばれる現象により奇怪な生物が跋扈する〈荒れ地〉と化したシベリア平原を北京からモスクワまで横断する「シベリア横断会社」の列車。1899年、「偽名の女」マリヤ、列車で生まれた「列車の子」ウェイウェイ、「博物学者」グレイなど、異なる境遇から乗り合わせた乗客・乗員の思惑が絡み合う。解説でも指摘されているが〈荒れ地〉の有り様は『全滅領域』を彷彿させる。怪現象のからくりがそれほど緻密に説明されるわけではないため、そこの物足りなさはある。作中度々架空の旅行ガイドブックが引用されたり、様々な車両を移り変わりながら車内の出来事が描かれるなど、ありえない列車旅の擬似体験を楽しんだ。
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