
ほせ
@coffee_dog
2025年10月20日
老人と海
アーネスト・ヘミングウェイ,
高見浩
読み終わった
表紙に惹かれて手に取った本。時代背景の差でわかりづらい表現もちょいちょいあったけど、臨場感のある文章で引き込まれた。なぜ、一匹の魚を釣るだけでこんなにドラマを感じる本になるのかと驚いた。名作と呼ばれる所以を目の当たりにした気がする。
一番印象に残っているのは老人が魚を生で食べるシーン。考えてみれば刺身と一緒なんだけど、狩る側と狩られる側の距離が近くてやけに生々しく感じた。自分が普段食べているものとも同じ関係なのに、忘れていたことを実感させられた。また、そこに老人がカジキにかける思いが伝わってきた。
だからこそ、終盤の展開が心にくる。そこもまた、自然の厳しさと言うか、なんとも言えないやるせなさが湧き上がった。こういうところがまた海に出る要素なのかもしれないと思った。老いとの戦いの話でありながら、海という様々なものを内包した存在の魅力も見せてくれる話だった。



