yknst
@yknst
2025年10月20日

〈象徴形式〉としての遠近法
エルヴィン・パノフスキー,
Erwin Panofsky,
上村清雄,
川戸れい子,
木田元
読み終わった
エルヴィン・パノフスキー
『〈象徴形式〉としての遠近法』
ちくま学芸文庫
2009
・
扉ページに書いたメモをみると、2019年頃に一度、読んでる。
遠近法を、普遍的な形式としてではなくて、カッシーラーのいう〈象徴形式〉のひとつとして捉える。
写真機の写し出す(かつてはカメラオブスクラなどが映した)光学像は、アルベルティのいう「窓」とほぼ同じ性質のものといえるけど、それは凹面である網膜に投影される像とは違うし、視細胞と脳の視覚野を経て構築される視覚経験とも異なる。
だから、遠近法は〈象徴形式〉といってよいものだろう。
ヨーロッパにおいて、古代に形成された遠近法的な世界観が、中世に解体されつつ、新たに準備しなおされて、ルネサンス以降の完成へと向かっていく様子が70ページとかで書かれる。
ただ、パノフスキーの本はそういうパターン多いのだけど、註のボリュームが半端ない。
本文より多いくらい。
今回は註はほとんど飛ばして、一気に本文だけ数時間で読んだ。その方が趣旨は把握しやすい。註は、もっと詳しく!となれば読めば良い。

