
もぐもぐ羊
@sleep_sheep
2025年10月22日
ほんのささやかなこと
クレア・キーガン,
鴻巣友季子
読み終わった
マグダレン洗濯所についてインターネットであれこれ記事を読んでから本編を読んだので悲惨な描写などを覚悟していたけれど直接的な描写は少なかった(みすぼらしい身なりで床掃除をさせられている女たち)
妻と5人の女と暮らすビル・ファーロングの視点で語られるあるクリスマスシーズンのこと。
ファーロングが修道院に石炭を配達に行った時に石炭庫に閉じ込められていた少女を見つけたことから彼の逡巡がはじまる。
修道院は洗濯所と学院を経営していてファーロングの上の娘2人が在学していることや娘の1人が聖歌隊にいること、もし修道院で起きていることで騒ぎ立てれば娘たちに害が及ぶことは修道長から暗に示されていた。
それでも善くあろうとするファーロングが悩み続けること、自分の今の幸せを投げ打ってでも助けるべきと思うのは未婚の母の出産を咎めずそのまま雇い続け、ファーロングに教育を施してくれたウィルソン夫人の影響が大きかったんだと思う。
物語は途中で終わり、その後ファーロングや家族がどうなったのかは読者の想像に委ねられている。
実際の出来事から着想を得て書かれた小説ではあるが、その事件そのものよりもその周辺に住む修道院とは全く無関係ではない人を主人公にして語らせていたことで、自分がファーロングならどうするか?などのように考えながら読んだ。
映画化するそうで、ファーロングはキリアン・マーフィーが演じるらしい。観たい。









