
nemui
@nemui_nari
2025年3月8日

新装版 苦海浄土
石牟礼道子
読み始めた
読み終わった
海の中に竜宮があるのだという。
記録や数字に感情は残せない。
「小説」なので、ドキュメンタリーやエッセイやノンフィクションの記録ではない。
あくまでも実際に行った取材を元に記されたフィクションという扱いになる。
けれど、まさに人から聞いた話ではあるものの、記録や数字だけ見ていたら見過ごしてしまうかもしれない人々の表情を、文字を通して見た気がする。感情は人に書き残されることで小説になるのだろう。
自分の暮らす土地や家族、自分自身の人生に誇りやいとしさがあり、またはそれしかないのだという大切な感情を持っているにもかかわらず、奪われてしまう。
その時は自分にもいつか来ると思うのだけれど、とても怖い。
