
きなこ
@kinako2025
2025年10月23日
サイレントシンガー
小川洋子
読み終わった
最高
さすが小川洋子氏。
読み終えて本を閉じても、物語世界から抜け出せない、圧倒的な吸引力。
彼女の小説は静謐で、心の奥底の一番柔らかい部分にそっと触れていくような読後感がある。
祖母に育てられたリリカは、祖母の職場の“アカシアの野辺”で過ごし成長する。
アカシアの野辺とは、内気な男性ばかりが集まって共同生活を送っている場所だった。彼らは饒舌から逃れ、静かな指言葉で意志を伝える。
アカシアの野辺で物品販売をしていた祖母の跡を継ぎ、かつ歌の仕事もするリリカの前に、料金所で仕事をする男性が現れた。
物語の舞台のモデルは兵庫県芦屋市だとか。高島市長と小川洋子さんの対談でそう語っていた。作家は様々なものを自分の中に取り込んで物語りを紡いでいくのだなと思った。





