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@bunkobonsuki
2025年10月23日
サロメ
原田マハ
司馬史観という言葉があるように、マハ史観という言葉があっても良いように思う。
そのような感想を抱くほど、本作「サロメ」は史実として説得力がありすぎる。フィクションのはずなのに、「本当にあったんじゃないか?」と錯覚しかけてしまう。
本作の主人公は画家オーブリー・ビアズリーの姉メイベル・ビアズリー。彼女は女優として大成することを夢見ていた。弟のオーブリーは趣味で絵を描く日々。そんな中、二人は名作家オスカー・ワイルドと出会うことで人生の歯車を狂わされていく——。
解説が中野京子というのもポイント。
本作の解説者としてこれ以上の適任はいないだろう。




