こよなく
@funyoi
2025年10月23日
歴史とは何か 新版
E.H.カー,
近藤和彦
読み終わった
歴史関連の書籍を読むと、『歴史とは何か』からの引用をよく見かけるので、読む。
本書は大学での講演をもとにまとめられており、皮肉とパンチラインにあふれた文体には惹かれるので、本書からの引用が多いのも納得である。カー自身も講演の中で数多くの名句を引用しており、意識的に引用を多用してたのではないか。
第一講から第四講までは、歴史の見方や歴史と現在の関わり方が述べられている。
歴史とは、過去の事実を並べるだけのものではなく、現在から解釈を与えるものである。さらに、現在の解釈も過去の事実によって影響を受けるという相互作用がある。ただし、解釈を与える歴史家も社会的影響を受ける個人である。歴史を学ぶ際には、歴史家の背景を理解することが重要である。
また、偉人も社会の影響を受ける個人であり、歴史的事象は偉人一人によって起こされるものではない。その時代の意志を持つ多数の個人や大衆の影響が大きい。歴史と科学は近く、どちらも蓋然性に基づいた一般化を行う点で共通している。
というような内容が書かれており、非常に納得できた。
第五講以降は、歴史を通じて現在、そして未来について論じられている。
人間は自然から脱却し自意識を持つことで歴史を認識し、理性によって自然や社会を制御することが進歩であった。理性によって現在を疑うことこそが、進歩をもたらすのだと述べられている。
現在の世界が右傾化している状況について、カーなら皮肉を込めて嘆くだろう。「それでも世界は動き続ける」

